ヒカルのソングカバーアルバムというと、誰が相応しいかは兎も角誰かは参加してくれるだろうという予測は立つが、これがUtadaのカバーアルバムとなるとどうにも想像力がはたらかない。最初は知名度が低いからトリビュートという概念が当てはめにくいせいかと思ったが、どうもそれだけではないらしい。
Utadaの場合、ひとつひとつの楽曲に似つかわしそうな人選をしていくと、どうにもジャンルがバラけてしまってアルバムとして収拾がつかなくなるのだ。ジャンルの壁を飛び越えて、となるとウルトラスーパースター縛りとかセレブリティで括るとか、それでも他の枠組みを用いねばならない。なかなかカバーやトリビュートというのは、たとえあのままUtadaが有名になったとしても、なかなかに難しかっただろう。
それを一枚のアルバムとして聴かせていたのは、結局はHikaruの歌声に他ならない。あの幅広い曲調に統一感を持たせていたのはあの声であり、それはヒカルのアルバムでも変わらない。
となると、宇多うたアルバムではその"括り"が無くなってしまう訳で、出来上がりは非常にカラフルな作品になるだろう。アレンジメントも各自に任されているとなれば尚更である。
サウンドの多様性、となると意外なコラボレーションが実現していたりしないかな、というのはある。井上陽水×奥田民生とか、ああいう感じで。でもそれせっかく二枠とったのに一枠に収まっちゃうからもったいないといえばもったいないよねぇ。
逆カバー、というのも具体例としてあるか。The Back HornがOne Night Magicをカバーしたらどうなるだろう。余りに芸風が違い過ぎるかな。ギリギリ、スカパンクスタイルでいくなら彼らが演奏しても何とかなるかもしれない。
こういうコンピレーションの場合、他のミュージシャン同士は交流が生まれないのは残念だ。今はもう各自が音を作り上げて電送すればいいというだけだから、地理的空間的にも集まる必要はないし、第一スケジュール的に現実味は薄い。これをきっかけにして…というのはミュージシャン同士より寧ろレコード会社とミュージシャンの間で、という事になろう。
昨日ラインナップ発表が無かったという事は、ややタイミングを見計らっているのだろうか。来週の金曜日が締切なら今週中に発表してしまわないとマズいと思うんだが、果たして。昔からの感覚でいうともう原盤は納品してしまっている(マスタリングが終わっている)筈だから、発表は今すぐにも出来るだろう。あんまり遅いと、妄想ラインナップ第二弾を書いちゃいますよ〜。