無意識日記々

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原節子逝く

原節子が亡くなったそうな。特に悲しくはない。何しろ、実質引退して半世紀が過ぎているのだ。私が生まれてこの方、彼女の出演する作品を心待ちにした経験もなければテレビで現在のお姿をお見かけすることもない、見ても総て過去の映像だらけの、いわば“死人扱い”でしか彼女の存在と接してこなかったのだから今更死なれても何も変わらない。勿論遺族の方々は全くそうではないだろうが、メディアを通した繋がりなんてそんなものだ。人が亡くなって悲しいのは、毎日会ってた人に突然会えなくなる、会ってなくてもまたいつか会えると思っていた希望が断たれる、そういった事に起因するものなので、原節子逝去はニュース以上の価値を持たない。せいぜい、これから追悼特集が各地であるのだろうなぁというくらい。

しかし、報は報で、感慨深い。これで、小津の「東京物語」に出演していた主だった役者で生き残っているのは香川京子1人だけになってしまった。あの名作と(いつであっても)今という時代を繋ぐ糸がもうこれ以上ないくらいに細くなっている。一方で、同作の評価は特に海外で徐々に高まっている(Wikipediaを参照)。今回の逝去は、色々なきっかけに、またなるかもしれない。

原節子は伝説の大女優として持ち上げられているが、こと芝居に関しては共演した杉村春子と較べるべくもない。それでも銀幕を飾れ続けたのは、勿論その容姿端麗によるところが大きいんだけども…ってこんな話終わらんな。やめとこ。


ヒカルもこのまま引っ込んでたら「伝説の大歌手」として持ち上げられていたことだろう。プレイバックPart2をカバーしているからか、19歳で結婚した時はそのまま引退すれば山口百恵のように伝説になる、とも言われた。今振り返れば似合わないもんだが、それは結果論で、続けたから似合わなくなったのだ。

原節子は、幾つかの記事によるとマスコミの盗撮を恐れて自宅の庭にすら出なかったという。なんとも心休まらない。カメラを向けられることが心底いやになっていたのだろうか。

マイクも、向けられるとイヤかもなぁ。自分で握って持って自分に向けるのとだいぶ違う。真逆といっていい。そこさえクリアできれば、引退する事はないだろう。もうちょっとだろうな、きっと。カメラの前に立つんだったら、おめかししなくっちゃね。久し振りだな。結婚式を除けば、5年か。50年より幾らかはマシだろう。再び勇気にお目にかかれる。