無意識日記々

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解釈の概略

「ユニバーサルとどこまで友好的に別れられたか」なんて非業界人のこちらは知る由もないが、外から見た流れというものはある。

こちらが概略として解釈しているのは次のようなものだろう。元々ヒカルはEMIから離れるつもりはなかった。人間活動宣言をしてアーティスト活動を休止しますよと言うや否やEMIと世界契約を結んだ。それはつまり、(2010年の時点では)いつになるかはわからないが、必ず復帰しますよという強烈なメッセージだった。そこに付随して「で、復帰した時も相変わらずEMIと仕事をするつもりでいますよ」という意味も持たせていた。

その心づもりを変化させた案件が、ユニバーサル・ミュージック・グループによるEMIの買収だった。形式上、親会社が変わっただけでEMIというレーベル自体はほぼまるごと存続になった。ダイエー・ホークスがソフトバンク・ホークスに変わっても選手が同じだったように。

しかし、やはりここで何らかの居心地の悪さがあったのだろう、でなければわざわざ契約の更新を断る筈がない。いやそもそも複数枚の契約でなかった事に吃驚だけど。結局、誰が言い始めたかは不明だが、「皆で引っ越そうよ」という事になり今に至る、と。元々現在でも主だった楽曲の出版権管理はソニー・ミュージック・パブリッシングに委託しているし、EPICのトップはLAリードだしで移籍先がSONYに決まったのはかなり必然的な流れだったように思われる。というより、世界規模のメジャー・レーベルって今やユニバーサル、ワーナー、ソニーの3つしかなく、ユニバーサルを出るんだったらワーナーとソニーの二択になるのだ。結局どっちかを選ぶだけであり、縁のある人々がソニーに居たという事だろう。

今のヒカルは海外に多数のファンを抱えている。創作自体には妥協しないだろうが、こと出来上がった音楽を届けるに際して国籍によって有利不利が出るとかいちばんヒカルにとって屈辱的な事なのではないか。メジャーレーベルと契約するのが、絶対である。いやインディーズでも国際的に強いレーベルならいいんですが、日本でだけ強い、というレコード会社はパスだろう。如何にキングレコード(後株ですっ!)が業績好調でもヒカルが移籍先に選ぶような事はない、と言い切れる訳である。


…というのが、こちらからみた概略である。物事の順序はわからないが、ストーリーとしては納得のいくものだ。不可解なのは、何年経ってもヒカルに忌避され続けるユニバーサルという会社の体質なのだが、あんまりにも図体がバカデカすぎて末端まで神経が行き届いていないのかもしれない。なるほど、ならば移籍した方がいい。

ここからはEMIの事は過去として、SONYと今と未来をみる事になる。特に新しい登場人物が出てくる訳ではないだろうから日本国内では変化がないかもしれないが、国際展開が激変すれば、ウォッチャーとしては面白くなる。2004年や2009年を振り返りつつ、追々予想を立てていきましょーかねっ。