無意識日記々

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ノンストップ・チャック・ベリー

幾つかあったチャック・ベリー(追悼)特集の中でも山下達郎の「サンデーソングブック」は出色だった。「ノンストップ・チャック・ベリー」と称して55分間の番組の前後編それぞれでインターバルなしに名曲のオン・パレード。ディスク・ジョッキーの腕の見せどころは選曲と曲順、更には曲と曲の繋ぎなどになるのだが、いやはやお見事。そのタイミングで「ブラウン・アイド・ハンサムマン」を入れてくるか〜なんて事を何度も。更に達郎の場合、自宅でアナログレコードから音源を起こして自らリマスタリングしてラジオ局に持ち込んでくるという荒業を使うせいか、FMラジオ(Radiko)だというのに妙に音質がよい、というか音圧が上がっている。うちにあるCDを聴いているより音がよいというのだから驚きだ。残念ながらもうタイムフリーは終わっているので聴く事はできないが…あぁ、二週目のカバー特集はまだ聴けるか。寧ろチャック初心者はこちらを聴いた方がいいかもわからんね。

番組中に達郎も言っていた通り、チャック・ベリーという人は自身がヒットしたというより、後発のフォロワーたちがリスペクトを向けた事でより有名になった人物だ。その為、今回の訃報に関しては、ミュージシャンたちとリスナーの間でかなりの温度差がある。遠い国の出来事感ありありである。

確かに、ネズミみたいな生物の復元図を見せられて「これがあなたを含めたあらゆる哺乳類の祖先にあたるのですよ」と言われてもいまいちありがたみがわからない、というのと同じようにみえている。ロックン・ロール・リビング・レジェンドであるザ・ローリング・ストーンズのデビュー曲がチャック・ベリーのカバーだった、と言われたところでそもそもストーンズ自体、「よれよれでヘロヘロなのに毎回東京ドームを売り切れにする、どうやら我々の上の世代の人たちにとっては神様みたいなおじいちゃんたち」でしかない。更にそんな彼らがリスペクトしてやまない、といわれても界王様の上に大界王様がいてその上に界王神様がいてその上に大界王神さまが…ってもう自分で書いててもなんだかわかんないや、それくらい霞んだ先の存在だわな。

しかし、こういうのこそを「オリジナル」というのですよ、という話が書きたかったんだけどまた長くなるので続きはまた次回。歳をとるとやたらめったに尺を長くとるのでかなわん。震災前みたいにまた短いの書くスタイルに…無理かな今更…。