無意識日記々

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海の日のメッセージ

『Forevermore』といえばジャケットがまたもやいい。VOGUEと甲乙付け難い美麗さだ。聞けばミュージックビデオを高名な監督が撮影しているとのこと。知名度でいい作品が出来る訳ではないが、この1枚を見せられるとどうしたって期待してしまう。

『大空で抱きしめて』のアートワークも悪くなかったし、つくづく何故人々がいちばんアクセスするオフィシャルウェブサイトの写真があれなのか。いや別にあれだって悪かないし、もしあれしか見せられなかったら「なかなか意味深でよさげじゃないですかね」で済んでいたのだ。そこにVOGUEと『Forevermore』である。ここにきて18年半の歴史の中でも屈指の写真を連発されてはどうしたって見劣りせざるを得ない。普通に撮っただけなんだけどねぇ。運が悪かったとしか言えないぜ。

にしても宇多田ヒカル、草臥れないな。普通デビューから19年も経てば出すシングルは安定で、見た目も歳相応に落ち着いて…なんて風になるものだが、『大空で抱きしめて』は熱心なファンを次々と狼狽えさせる"衝撃作"と言っていい内容だしアピアランスは今述べた通り(まだ静止画主体とはいえ)歴代屈指のレベルに達している。つくづく、人間活動に入るタイミングが絶妙だったと言わざるを得ない。

確かに、27歳から32歳までのヒカルを観れなかった(&聴けなかった―は『桜流し』があるから29歳は除かれるか)のは一生を振り返った時にも「残念だった」と述懐されざるを得ないだろうが、復帰後のこの、新鮮さというより鮮烈さは、約6年のブランクが全く無駄ではなかった事を示唆している。いやはや、後悔せずに済んだと言えるだろう。

ヒカルはかつて「憧れの年齢」について語った事がある。そのうちの28歳と32歳は過ぎてしまったが次の35歳はさぁこれから迎える訳だ。人から羨まれるような美麗かつ美声な35歳としての活躍が期待される。

嗚呼、こうしてみるとロジャー・フェデラーよりは若いんだな。昨夜ウィンブルドン男子単最年長優勝を全試合オール3-0ストレート(つまり21セット連取か?)で成し遂げるという生ける伝説らしい偉業を達成した35歳(まもなく36歳)。ヒカルもメッセで時折取り上げていた。ラファエル・ナダルの方が好みだったようだが。で、ロジャーもまた昨年は怪我を理由にツアーからの長期離脱を敢行し、見事今年は復活して全豪全英の2つのグランドスラムを奪ってみせた。全仏を含むクレーコートシーズンを全キャンセルして。


何が言いたいかっていうと。
休養って大事ね。


仕事を続けていて休みなく走っていると『止まるのが怖いちょっと』な状態についつい陥りがちだが、そんな中で勇気をもって休養をとれるか否か。勿論ヒカルにせよフェデラーにせよ、傑出した実力があって休みの間も経済的な不安がないという特殊な事例ではあるのだがそれもまた自ら手に入れた特権に過ぎない訳で。高いパフォーマンスを維持する為には適宜休みを入れるのが如何に重要なのかと。

嗚呼、人間活動期を休みとか休養とかっていうとヒカルに違うって言われちゃうか。「プロフェッショナルなアーティストとしての活躍を控えている時期」の事ね。

今日は海の日。多くの人が休みをとっている。そろそろ夏休み。社会人の皆さんも学生の皆さんも、長期休暇をとれる人は遠慮無くとってくださいな。次があるだなんて思わない方がいい。人によっちゃそこから40年間とかまとまった休みがとれなくなるんだから。休める時に休む。休みたい時に休む。とても大事な事ですよ。