無意識日記々

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ガッツ・ポーズ&ザッツ・オール

ロキノンジャパンに期待すること、か。いろんな答え合わせが出来るのかな。渋谷さんどんな事訊いてくれてるだろうか。2万5千字のロングインタビューだそうだが、それって大体無意識日記三週間分位だろうから…そんなに多いか?(麻痺)

ヒカルの事を理解したい、という気持ちは確かにあるし、多分"並々ならぬ"と形容していい程その思いは強いのだろうが、どうにも力が入らない。というのも、ヒカルの真実を知るには"直接本人に訊く"以外にないからだ。昔からロキノンインタビューのパロディや揶揄といえば記者が脳内ストーリーをすっかりアーティストに押し付けて悦に入るのが定番なのだが、そういうのがどうも私には違う。それに、私はヒカルに質問できる立場にない。そりゃあ力が入らない。

それよりも、この日記では、ヒカルからのアウトプットを題材にして「こんな風に考えたら面白いんじゃないの」という着想や着眼点を提供する事を主眼に置いてきた。何が本当かなんて本人に訊かなきゃわからない。訊いたってわからないかもしれない。それよりもっと宇多田ヒカルを面白がろうこの人はこんなに魅力的なんだという事をアピールした方がずっとしっくりくる、そういう芸風でやってきた。だから私は自分の言っている事が正しいなんて思ってないし、正しいかどうか検証する事もない。全部口から出任せ、いや指から出任せなので何の真実保証もない。読んで、「へぇ」と思って、ヒカルの歌を聴き直してみて、「なるほどなぁ」と思えれば無意識日記のサイクルの完成である。年間500回、これをひたすら繰り返してきた。

…という感じなので、よく知らない人からしたら私はロキノンのライターや記者や編集の皆さんと同じ人種だと思われがちなのかもしれないが、「だいぶ違うよ」という事を繰り返しておきたくてな。私は何も主張していない。強いていえばヒカルの魅力を声高に叫んでいる事と、「今書いたの、面白いでしょ?」という些か勘違いを含んだ自己(?)アピール、主張なんてそれ位なもんである。読む前より読んだ後の方がほんのちょっぴり人生面白くなっている、と思って貰えれば私はガッツポーズ&ザッツオールなのである。

という訳で、ロキノンジャパンのロングインタビューに何を期待しているかというと兎に角今のヒカルを伝えてくれたらそれで、というのしかないので、内容はVOGUEのと似たようなもんでいい、というか工夫は要らないから素材を提供してくれ、というべきか。ジャーナリストという側面があるならば、うーん、それはそれです。

渋谷陽一は毎週(最近月末は削られてるけど)NHK-FMの「ワールドロックナウ」でその声を聞いているので、ある意味私の生活においてはヒカルよりずっと"浸透"している声(の持ち主)なのかもしれない。つまり、いろんな彼のものの考え方を学んである。いや彼の場合、考え方より「言い方」を学ぶ方が遥かに多いけどね。彼こそまさに「Mr."ものは言いよう"」だ。言い方ひとつでどうとでも転がす事が出来ると半世紀体現し続けている"日本で最もギャランティの高い音楽評論家"なのだ。

彼がインタビューをしたかどうかは知らない。しかし彼は社長だし、方向性は決めているだろう。内容によってはヒカルから「もうこんな雑誌要らなくね?」と突っ込まれてしまう立場だ。ヒカルは気遣いが出来る女だが不要な気遣いはしない。案外、今回試されているのは「Rockin' On JAPAN」の存在価値の方なんじゃないのという考え方に行き着いて、俄然読むのが楽しみになってきた。次のインタビュー時は渋谷氏が引退していないとも限らないので、存分に楽しませてうただく所属です。