この夏に思い出として残った日本語の歌は2曲。だをことけんしの「打上花火」と山下達郎と門脇麦の「Reborn」だ。両方とも映画の主題歌だね。
人気では「打上花火」がYouTube再生回数4000万回という事で図抜けている。「Reborn」の方は歌も映画も話題になっていない。といってもまだ明日から公開なんですがね。まぁ落差はありますわね。
しかし。「もしヒカルが歌うとしたらどっちを歌って欲しい?」と訊かれたら断然「Reborn」の方ではないか。「打上花火」は男女ユニットによる歌唱だが、うちらはこの春に「丸の内サディスティック」の宇多田ヒカルバージョンを手に入れた所だ。いや、「打上花火もいい出来になると思うよ。
しかしもし「Reborn」を歌ったら「少年時代」並みの名演になる気がする。どうにも、この「Reborn」という曲、歌自体はいいのだが、山下達郎のやや芝居がかった歌い方や門脇麦の素朴な歌声は、どちらも帯に短し襷に長しで一長一短、しっくり来きらない。2人のちょうど真ん中位の抑揚で歌ってくれたらなぁ、と脳内でシミュレーションしているうちに「うわこれヒカルに歌わせたらバッチリハマるわ」となったのだ。いや特別この曲とヒカルの声の相性が良い訳ではない。ただ単に、ヒカルの音楽に対する理解度とそれを表現する技術が飛び抜けているだけだ。大抵の歌はヒカルが歌えばより魅力的になる。ただし、ドリカムは除く…かもしれない。克服したかな?
脳内でヒカルの歌を聴きながら「あぁ、そこはそういう歌い方をすればいいのかーなるほどなるほど。」とやたら合点のいく場面が増えていく。勿論現実のヒカルがそう歌った訳ではないのだけれど、もっと一般的に、脳内で「宇多田ヒカルに歌ってもらう」スキームは、楽曲の魅力をより引き出す術を我々に教えてくれる。その意味で大変有用だ。
これは私の想像力が逞しいだけなのか、それとももっと普遍的な現象なのか。正直わからないので、皆さんも脳内で自分の好きな歌をヒカルに歌って貰ってみてくださいな。うまくいけば、何か新しい発見があるかもしれません。うまくいかなくて、何の発見もなかったとしても、当方は責任を負いかねます。(笑)