無意識日記々

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「スバーク!スーパークマン!!」

現実問題として、例えばヒカルが「コンセプト・アルバム/ストーリー・アルバム/トータル・アルバム」の類に手を染めるのは難しい。何故なら、常にタイアップのオファーがあるからだ。

コンセプト・アルバムとなると総ての楽曲―10曲とか12曲とか15曲とか―が連動して作曲される為、単体で意味をもつ楽曲を作曲している暇はない。つまり、長い期間何も発表せずに作曲とレコーディングにかかりきり、なんて事になりかねない。売れっ子邦楽ミュージシャンならどうしたって様々なオファーに対応せざるを得ず、それこそレコード会社の支持を得られないだろう。「たまたまコンセプト・アルバムの中にタイアップと連動できる楽曲が見つかった」とかでない限り。それも虫のいい話だけど。

しかし、今の時点で「そりゃ無理だろ」と切って捨てるのは早計だ。ザ・ビートルズだって60年代後半のコンセプト・アルバムの作風は、60年代前半にアイドル・グループをやっていた頃と較べれば物凄い開きがある。60年代前半の時点で「ザ・ビートルズはこの先コンセプト・アルバムを制作する事になるだろう」と言われてもまるで取り合えなかったに違いない。人生わからないものなのだ。

例えば、「コンセプト・アルバム自体のオファーがくる」という少々ぶっとんだケースもあるかもわからない。「スーパークマンを5分アニメにしたいので、毎回の挿入歌をワンクール分全12曲作ってほしい。」というオファーがあったらどうか。当然、予算の半分以上がヒカルへのギャラの支払いになるだろうが、こんなオファーならOKを出してしまうかもしれない。「宇多田ヒカル初のコンセプト・アルバムはスーパークマンのアニメのサウンドトラック!(※挿入歌集)」だなんて荒唐無稽な歌い文句…ヒカルならやれてしまえそうで困る。

もっと現実的な(?)ケースでいえば、英語アルバムである。『EXODUS』にしろ『This Is The One』にしろ、シングル曲を何曲かリリースしながら徐々に出来上がっていく日本語アルバムとは異なり、まずアルバム全体の楽曲を作り終えてからの先行シングル・カット、という流れが出来上がっていた。これなら、コンセプト・アルバムの類が生まれてもおかしくはないだろう。勿論、今後英語のみの新作を制作する機会があるとして、だが。

いずれにせよ今Hikaruがコンセプト・アルバムに手をつける可能性は低い。新譜はきっといつも通りでしょうね。