『Fantome』と『初恋』の2枚のアルバム、まだ聴いて日が浅い筈なのに聴いていて『これライブで聴いたら泣いてまうわ」と思わされる曲がやたら多い。なんか不思議。
そりゃ、ヒカルがデビューしてきた時は「こんな天才が日本に居たんだ」と驚いた訳だけど、それから20年が経たんとしていて、極端な言い方をすれば宇多田ヒカルが図抜けたアルバムを制作したとしてもそれは“当たり前”のことであり、今更態とらしく驚いてもねぇ……“そらせやろ”としか言いようが無い、んだけども。なのに、生でこの歌声でこの歌を聞かされる事を想像するだけで「あかん、これはやばい、これはやばいでぇ…。」と呟いてしまう。なんなんだろうな。
更にもっと言ってしまうと、もう何度もヒカルのコンサートは体験しているので、それ自体にも然程新鮮さはないんですよ。その上、ここまで歳をとってしまうと、幾ら素晴らしい音楽を聞かされたとしても、それで人生観が揺さぶられるとかそういうインパクトを与えられるんでもないのです。コンサートが終わったら、いつも通り家に帰って風呂に入って寝て、朝起きたらまたいつもと同じ生活が始まるだけだろうなぁということもわかりきっていて。まぁそれが安易に期待できるこの国の治安のよさ、平和さには心底感謝なんだけれども、それはヒカルのチカラとかではないわけで、まぁなんだ、そのコンサートの2時間が僕の人生にあろうが無かろうが、僕の人生に大した影響はないことは、目に見えている
のです。
しかし、私の人生の中のその2時間そのものに関しては、なんかもうずっと泣きっぱなしなんじゃないかと、2枚のアルバムを聴きながら想像してしまう。本当に、よくわからない。『First Love』や『Automatic』みたいな国民的名曲とかには、どの曲もまだなっていないんだけどな。
多分、だけど、感覚が麻痺し切っているだけで、この2枚って過去の名作群と較べても、何らかの側面で遥かに強力なんだろうな。それがどんな側面からなのかは…今後の無意識日記に期待しよう(笑)。私はいつも一番目の読者なので、世界最速で読めるという特権があるし。いつもいつもそこまで面白い訳じゃないけどね。
あと、そうね、そのライブコンサートの2時間があるかないかで、日記の内容は大幅に変わるわね。私の人生に一番影響があるとしたら、その点だろうな。ネタバレをどう扱うか、今から対処法を考えておかなくっちゃ。