無意識日記々

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広場から公園を眺める

銀座ソニーパークが今日から開業らしいが、例の「星の王子様騒動」を対岸の火事ととるか他山の石とすべきか判断に迷うところ。

詳しくはハッシュタグ「♯銀座ソニーパークダサい」だか何だかで検索して欲しいが、要は新しくソニーが銀座で催す企画の目玉としてサンテグジュペリの「星の王子様」を利用したアイデアを発表したところ、同作品のファンの皆様から「リスペクトに欠けている」はおろか「冒涜だ」とまで言われている、という話。なんだか「またやらかしちゃったな」という最近よくある炎上騒動だな。

私は「星の王子様」を幼少期に通過しなかったので思い入れはないのだが、こういう作品を扱う際に細心の注意を払うべきだというのはすぐにわかる。そういう性質の作品だ。なので、今回のコラボ企画?で怒る人が居るのもむべなるかなという感じ。ますむらひろしも怒ってたねぇ。

こういう、自分の名前を世に出す為に既に名のある作品の名を借りるという行為はあとを絶たない。我々に身近な例といえば実写?映画「Casshern」で、アニメ「キャシャーン」に詳しくない自分でも「何故オリジナルでやらず名を借りたのか」と疑問を呈するしかない内容だった。いやその内容自体は気に入ってるんですけどね私は。

恐らく監督が幼少の頃に観た「キャシャーン」のイメージが強烈だったんだと思うが、その"個人的な感銘"がどれだけ他のキャシャーンファンと共有できるかは創作上難しい調整だったのは間違いない。だがしかし、ファンでもない私のような人間に「こんなキャラの使い方したら借名行為と取られてもおかしくない」と思わせたのだから隙だらけにも程があった。

銀座ソニーパークの件も、「なぜ誰も止めなかったのか」と誰しも不思議に思うが、決済or決裁する人間の中に1人でも"そういう人"が居たら、場合によっては押し切られてしまうものなのだ。或いは、出されたまずい企画100のうち99までは回避できたが1つだけ討ち漏らしてしまった、という事めあるかもしれない。いずれにせよ「常識で考えれば(或いは熱心なファン数人の意見を聞けば)明らかにダメなプロジェクトでも世に出る事がある」というのは平成も終わらんとしている2018年になっても"あること"なんだな残念ながら。

その銀座ソニーパークのすぐ先の銀座ソニープラザハイレゾ音源流してた宇多田ヒカルも、いつこういうエピソードに巻き込まれるかわからない。組織というのは常に功罪があり、そこに人材の急な交流があれば軋轢や摩擦も起こるだろう。しかし、それにかまけて世に「冒涜」と名指しされる企画を打ち出すのは避けたい。ヒカルの名を借りたい人は山程居るのだから。