無意識日記々

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ひたすら「¥10000」と繰り返すだけのエントリ

20:00にツイート通知が、20:01にメールが届いた。

─ 追加受注生産のお知らせ

・※4/26~5/31の期間にご予約頂いた方は、必ずご購入頂けます。

・購入者特典の“オリジナルネックストラップ” も差し上げます。

皆さん、気分の沈んでいる私に代わって存分に喜んで下さい。@hikki_staff の面々に感謝と激励の一言を届けてあげてね。

非常に暗澹たる気分。ここまでやるしかなかったか。

『Laughter in the Dark Tour 2018』映像商品は単価をコンサートチケットと同じ税別¥10000に押さえ込む為に様々な工夫が施されていた。

・完全初回限定生産即ち出荷後即廃盤とする事でメーカー側の品番維持コストを削減

・大きいロット(恐らく5000以上)を確保する為に商品を1種類に統合。(DVDのみ、Blurayのみの2種類にせず、DVD+Blurayの1種類のみにした)

・ミュージック・ビデオのBlu-rayを断念(多分それを入れると¥10000を超す)

などである。こういったコストダウンの工夫によって¥10000円という価格で利益を上げられるように持っていっていた。

が、それを実現する為には事前に「予約数の把握」が必要になる。ここで力が及ばなかった。転売目的も含め予測を遙かに上回る予約が殺到して立ちゆかなくなったのだ。

で今回の措置に辿り着く。それの意味するところは"採算割れの恐れ"だろう。

ボックスセットは制作の事情は独特だ。個々の商品事に契約が異なるので当事者にしか金額の詳細はわからないが、5000以上の巨大ロットでの単価と(字の侭の)受注生産の単価では明らかに後者の方が高額になる。本来の利益を出すにはかなりの予約数が必要となるだろう。

また、先着特典だったストラップの全員配布。恐らく、先着特典である以上このストラップのコストは定価の¥10000に含まれない。つまり、作れば作る程赤字が増える。

CDは違うのだ。音楽CDは例えば¥3000とか定価が一律である一方、物質としての原価のコストや運送費などは微々たるもの。なので、制作宣伝費の回収が終わった後はお札を刷っているようなものになる。売れれば売れるほど利益率が上がる商品なのだ。

写真集のついたボックスセットはこうはいかない。原価率が高く運送費も数十倍に跳ね上がる。沢山売れたからといって利益率が高くなる訳ではないのだ。価格外のストラップは売れれば売れるほどコストになるだけであろう。

これだけの悪条件の中で、価格を¥10000に据え置いたのが凄い。「ホントにいいの?」と訊きたくなる。即ち、採算度外視なのだろう。

私が暗澹たる気分になったのは、これでヒカルとHikki Staffのレコード会社での立場が、悪くはならないまでも肩身が狭くなるのではないかと危惧したからだ。今後今回の失点を挽回するために既発音源だけで構成されたくまUSB第二弾を受注生産販売してきたら喜んで購入しようと思う。

いちばん悔しいのはヒカルだろうな。今回の事態は、商品が売れたから起こったのではなく、売れてないから起こった事になるのだから。もしかしたら、珍しく発奮材料にするかもしれない。次の新曲大ヒットしたしりて。そうなったら、おれも珍しく泣いて喜ぶ事にするよ。みんな、がんばれ。