ほぼ自分へのメモ。日記なんだからそれでいいんだけどね。
2005年秋『Be My Last』に続く新曲がリリースされるとアナウンスされた当初そのタイトルの表記は『passion』だった。文頭のpも含めて総て小文字表記だったのだ。程なくしてそれは修正され現在のpが大文字になった『Passion』へと変わった訳だが、fc2時代の無意識日記でそれについて以下の様な旨を記していた。
── 全部小文字の『passion』には情熱という位の意味しかないが、文頭が大文字の『Passion』だとそれに加えて「受難」という意味も加わる。この場合の受難は「イエス・キリストの受難」という意味で、キリストが磔刑を受けるなどして苦痛を負う物語を指す、、、
、、、なんて風に。これを裏付ける、とまではいかないが先々週紹介した『Passion (after the battle)』の後半に“時計のネジを巻く音”らしき効果音が出て来る事を思い出そう。そのサウンドは、恐らく花のトケイソウとかけているのだろうと思われる。トケイソウは英語でpassion flowerと呼ばれ、その十字の模様がキリストが磔された十字架を思わせるところからこの名がついた。
裏を返せば、ヒカルは『after the battle』を作っている頃には受難の方の“Passion”の意味に気づいており、意図的にこの時計のネジを巻く音のSEを入れたものだと思われる。オフィシャル・サイトで『passion』が『Passion』に変わった頃丁度『after the battle』を制作していたのではないだろうか。
『Passion』という歌はヒカルが同曲のインタビュー時に「今の22歳の自分には12歳の自分も共に在るし42歳の自分も共に在る」と述べる「時間という概念を超越した歌」である。その時間の凍った場所を「聖域(sanctuary)」と呼び、『after the battle』の前半ではその時間の凍った聖域からの歌声をイメージしたサウンドで彩られている。一方対照的に後半では器楽演奏によって時間が動き出す様を描いているようにもみえる。その時間の動き出す様をネジを巻く音で表現しているのだろう。トケイソウとダブル・ミーニングになっているのだ。全くよく出来た歌だと思う。
で、だ。…という話からまた次回。