エヴァ縛りだキンハシリーズだというとどうしてもコラボ映像をライブで流したくなりそうなところだが、自分などはヒカルしか見てないのでステージ後ろで何映しててもよく覚えてないのよね。『Utada United 2006』の時も後から「『Letters』の映像ってこんなことになってたのかー」と感心した覚えがある。折角エヴァやディズニーのキャラが乱舞していても観ていない恐れがあるな。
これがLiSAの「紅蓮華」なら相当数期待してコンサートに来る人が居そうな気はするが(かなり適当に言ってますよっと)、ヒカルの場合タイアップは寧ろ向こうも喜ぶケースが大半なので、なきゃないで別にどうということもないのであった。
その点、『Laughter In The Dark Tour 2018』では大画面に映るのが「今のヒカル」オンリーだったからわかりやすかった。皆宇多田ヒカルを観に来ているのだという(当たり前過ぎる程当たり前の)結論がライブスタッフの間で出ているのかもしれない。チケットが偏りのない完全な抽選で誰が来ているかわからない客層であっても、やっぱり「本物の宇多田ヒカルを観る」のは大きいのだなと。
結局タイアップは「宇多田さんが新曲を出しましたよ」というご連絡の媒介手段のようなものであって、「それのお陰で」というのは多分少し違うのだ。「美食探偵 明智五郎」より「サントリー天然水」の方がリーチはずっと大きかったと思うが、歌の売上は逆になっている。歌自体が聴かれてるということで、これはこれで喜ばしい事なのかもしれない。
勿論、カップヌードルを筆頭にタイアップ相手は作品制作自体に影響を及ぼしていて、無関係だとか無意味だとかとは程遠いし縁遠い。ある意味、受け手側よりもヒカル自身の方が大きく意識しているのかもしれないな。
『First Love 〜 Flavor Of Life - Ballad Version -』であれ『First Love 〜 初恋』であれ、この曲順についてヒカルがコンサート中にMCをした訳ではない。ただ順番に歌っただけだ。タイアップ縛りで選曲したとしても、ただ黙っているかもしれない。コラボ映像の映写なんかも必要ないようにも思う。「ガラじゃない」ってヤツですかね。
寧ろ、それが望まれるような新しい特大ヒット曲が出て来たらそれはそれで面白いかなとも思う。となると異なるファン層同士の軋轢なんかが心配になるけれど、ヒットへの記念より懸念が先立つとか贅沢にも程があるわね。そんな話が実際に出来る日々が来たら、それはそれでまた倖せな事なのでしょう。