無意識日記々

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“存在の融合を厭わない”

あらー『桜流し』のDVDシングルから7年も経つのね。

二つポイントがある。

・フィジカルで出たこと。

エヴァ

当初はこれが最後のフィジカルシングルになるかなーとか言ってたんだけど今年『Face My Fears』のCDシングルが出た。あれま。

これは、ゲームの流通の方でも取り扱って貰えるというか、ゲームグッズの一環として発売されたというのが見立てだったか。ジャケットも野村哲也の描き下ろしでね。

桜流し』のジャケットも、貞本義行の描き下ろしだった。こちらも、エヴァンゲリオンというアニメ映画作品関連のグッズという意識があったのだろう。

DVDシングルとCDシングル、アニメ映画作品とゲーム作品という違いはあれど、それぞれどちらも、ヒカルを描いたイラストレーションのジャケットを通して似たコンセプトで制作された商品だったということができる。

来年遂にシンエヴァが公開になる。仮に主題歌があるならば、それは100%宇多田ヒカルが歌っているだろう事に疑いを挟むのは難しい。となれば、今回もグッズの一環としてその曲のフィジカルが発売されるだろう。

では今回はどんな仕様になるだろうか。『Face My Fears』がCDシングルとアナログシングルの二形態で発売された。この路線が継続される可能性は結構ありそうだ。またもや貞本義行によるヒカルのイラストレーションのジャケットが、今度はアナログのでかいサイズで手に入る。なかなかにいいのではないか。

更に、ミュージック・ビデオのタイミングである。7年前の『桜流し』のDVDシングルに収録された映像は河瀬直美の作品で、エヴァとは直接関係が無かった。エヴァの映像と絡めた『桜流し』の動画はそれから随分経ってからの登場だった。

今回のシンエヴァエヴァQと異なり、初めからヒカルの曲にエヴァの映像を合わせたミュージック・ビデオが登場するかもしれない。ここでヒカルのスタンスが問題になる。

宇多田ヒカルが新曲を発表するからには、タイアップがあってもなくても、自立し独立した世界を描けるものでなければならないだろう。それがミュージシャンとしての、アーティストとしての表現に対する責任である。

だが、ご存知のように、12年前のエヴァ序の『Beautiful World』以来、ヒカルは他のタイアップとは一線を画し、エヴァに対してだけはかなり作品に寄せた曲作りをしてきている。タイアップとの“存在の融合を厭わない”のだエヴァに限っては。そこが他のケースとは異なる。

故に最初からアニメ映像を駆使したミュージック・ビデオが発表・発売になる可能性も幾らかは考えておいていいかもしれない。勿論、映像がとても間に合わないという可能性の方が存分に高いのだけれど。

果たして、楽曲と映画と映像とが、どのような順序で、どのような絡み合い方で発表されていくか。これが来年の目玉のひとつになるのではないだろうか。もし最初っからアニメ映像を駆使したミュージック・ビデオがリリースされるとしたら、かなりの話題になるだろう。リリースのタイミングによっては、本編アニメ作品のBlue-rayより早い時期になるかもしれず、そうなるとエヴァファンの食いつき方が違うだろうがそれだけに実現は難しいだろう。レコード会社の持つ音源に関する権利と、アニメスタジオが持つ映像の権利と……なんて考え始めたら特にね。

いずれにせよ、来年、エヴァ序から始まって13年、宇多田ヒカルエヴァンゲリオンのコラボレーションは遂に終結を迎える。生きてこれに立ち会えるのは僥倖だ。ひとまず皆さん、年末年始も健康第一安全第一で過ごしましょうね。