無意識日記々

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とっておきまであと何秒?

何度も繰り返し述べて来てるが(ホントな)、アルバム『BADモード』でビデオも作られず何のタイアップもつかない曲は『気分じゃないの(Not In The Mood)』ただ1曲となっている。

では、じゃあこの曲がシングルカットされたとして大ヒットしただろうかと訊かれたら「いやぁ、難しかったろうね」と言葉を濁さざるを得ない。そういう華やかな曲じゃないよねぇ。

確かに、Webでの評判は高い。しかしそれは「わざわざアルバム曲についてコメントをするような人たちの間で」評判が高いという事に過ぎない。「大ヒット」というからには、気に入ったら再生するだけでコメントとかを発信しようとかは思わないサイレント・マジョリティに食い込んでいく必要がある。この曲にそういうタイプの力があるかというと、あんま無いんじゃないかと。

だって、「とっておきのメロディと歌詞」が出てくるまでに曲が始まってから4分17秒も掛かるんだよ? そんなに待ってくれる人居る? アルバムの中の1曲として、スキップボタンに手を伸ばさずに取り敢えず全部堪能しようみたいな層にしか届かないよ。ショート動画を次々とフリップしていくイマドキの若い子達はこの曲の後半知らないんじゃない? まぁここ読んでる人はそうじゃないだろうけどね。(それより遙かに忍耐力要るからなここ読むのは)

大体昨今のシングル曲やタイアップ曲というのはイントロ無しでサビから始まって余計な間奏も挟まないコンパクトな楽曲が多いんだもんねぇ。いいメロディを後ろの方にとっておくタイプの曲をタイアップつきのシングルにするとか正気の沙汰じゃないよねぇ…

…って書こうと思ってたらそういう曲にメチャメチャデカいタイアップ付けてシングルCDリリースした人居たわ…宇多田ヒカルさんていうんですけどね…

…そうなんですよ、全世界で400万本以上を売り上げたPS2ゲーム「キングダムハーツⅡ」の主題歌として提供した『Passion』のシングル・バージョンは、曲が始まって3分12秒経ってからそういう「とっておきのメロディ」が炸裂する構成になってたのですよ。あれを大サビとかDメロとか言っていいのかはようわからん。バックの演奏一緒だからね他のパートと。

でも兎に角、2005年というかなり昔とはいえ、そんな狂気な事した経験があるのが宇多田ヒカルという人でしわね。だったら『気分じゃないの(Not In The Mood)』も、色々な出来事が重なり合っていれば、タイアップつけてビデオも制作してたかもしれんなぁ。

ん?でも別になきゃないでどってことないか。歌詞が雄弁過ぎて寧ろ映像要らないんじゃないかってのがあたしの今の感想だし。これ映像に起こすの滅茶苦茶センス要りそうよな…。

そうか、例えばもしミュージック・ビデオ・コンテストを催すならこの『気分じゃないの(Not In The Mood)』を課題曲にするのが最適かつ最難関かもわからんね。やったら面白いだろうねぇぇぇちょっともう遅きに失した感がありますけどねっ。