無意識日記々

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アニソンバランスブレイカー

年末ということで今年を振り返る企画が続く季節だが今度は『One Last Kiss』が「令和3年アニソン大賞」の大賞を受賞した。まことにめでたい。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003007.000013546.html

元々ソニーミュージックによる「平成アニソン大賞」を端に発した企画故にエピック所属のヒカルが選ばれやすかったというのは…まぁ多分ないわな。平成アニソン大賞の時点でレコード会社の垣根を越えて「アニメファン納得の選出」が多かった同賞だけに今回も納得の選出だと思われている事だろう。

しかし、『One Last Kiss』の威容はそれ以上のものがあるというか。「それ持ち出してくるの反則じゃない?勝てるわけなくね?」という「圧倒感」が凄い。今年ベースボールでは大谷翔平がその歴史上類を見ない活躍振りを指してことあるごとに「あいつはアンフェアだ」と形容されていたが、ヒカルの存在もそれに通じるものがある。あれだよ、チートだとかずるいだとか、そういうヤツだよ。

そもそも『Beautiful World』の時点で「旧劇は残テ、新劇は宇多田」という棲み分けが出来ていた。日本アニソン史上最高に神格化された残テの横に割って入っただけでも既に神業だったのに今回の『One Last Kiss』で最早「エヴァといえば宇多田」という認識が世の半分くらいを占めたように思う。相変わらずカラオケで歌いやすい難易度ではないのでそこは残テに譲ったまんまなのだろうけれど。

ただ、今回のこのアニソン大賞では選ばれなかったが、今年のアニソン的に要注意だったのは寧ろ『PINK BLOOD』の方だったかもしれない。新劇エヴァは劇場版オンリーで元々エヴァ自体が別格扱いだったから「まぁそういうとこで宇多田が歌うんだったら」ということで済ませられていた面はあったのだが、ウィークリーのテレビシリーズの主題歌もやるよという事になったのであれば今後どんな所にヒカルが顔を出してくるかもわからなくなった訳でね。それでも「不滅のあなたへ」はギリギリプライムタイムにNHKで放送ということでこれは深夜アニメじゃないですよどちらかといえばテレビドラマ枠の続きですよという言い訳が出来なくも無かった。しかしそれでもやっぱりもう殆ど扉は開けられてしまった状態になったと言えるのではないか。いつヒカルが本格的に深夜アニメの主題歌を歌うかわからないところまで来たと。それが実現したらその時にはまたアンフェアだチートだずるいよと言われる気がするが、それはそれでまぁ面白いか。ベッタベタのテレビドラマ枠であった「最愛」ですら「そこで宇多田は反則だ」と何度も言われていたけれど、もはやどこにでも現れられるようになった宇多田ヒカルは邦楽市場のゲームバランスを崩す規格外の存在なのだろうな。いやま、23年前に『First Love』リリースした時点でゲームバランスを劇的に変えちゃってるけどねーあはは。