無意識日記々

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どっちつかずの夢の中で

あああ、伊勢谷友介くん、『Show Me Love (Not A Dream)』を提供した「あしたのジョー」で力石徹役やってたの忘れてた。ツッコミありがと。準主役じゃんねぇ。

という訳でその『Show Me Love (Not A Dream)』の話。

この歌のテーマカラーが紫なのは『Inside My Lavender Dreams』や『紫の信号が点灯って思考停止』などの歌詞から言われていること。更に紫は藤色に近いということで藤圭子さんのことを言ってるかもしれない、とも。芸名だけどね。

『紫の信号』は赤信号と青信号の掛け合わせを意味し、進むべきか留まるべきか逡巡する様を表現している。となると『Inside My Lavender Dreams』の意味も、「どっちつかずの私の夢の中で」という意味ではないかともとれるのだ。

実際、曲中でこの『Inside My Lavender Dreams』が流れる時に日本語で歌われるのは

『逃げたら余計怖くなるだけだって

 わかってはいるつもり』

『私は弱い だけどそれは別に

 恥ずかしいことじゃない』

という風に、逃げるとか怖いとか弱いとか、あれやこれやと惑い躊躇うような言葉が並んでいる。勿論、ここでそこからターンして『恥ずかしいことじゃない』と勇気を振り絞るのですけれども。

ここでその『紫の信号』がお母さんそのものを表してるかもしれない、と考えるのは踏み込み過ぎかな。ヒカル自身、母から天使のように讃えられ悪魔のように蔑まれ、という二重の対応に苦慮してきた事を考えると、母とどう接すればよいかという問題とずっと向き合ってきた時間に思いを馳せてしまう。そうすると『どんなに深い愛も完璧じゃない』という一節が嘗ての二人の双方に対して向けられたメッセージのように思えてきて甚く切なくなってどうにも堪らないというか。

この曲から10年経ってあらゆる物事が入れ替わって。今この歌をヒカルが歌ったらどんな響きになるのかな。実際、『山は登ったら降りるものよ』の一節が余りに人間活動突入直前のタイミングにぴったりなので2010年にリアルタイムで歌う事に意味があったともいえるのだが、ラブラブ期に作った『光』だって離婚とか関係なく毎回歌ってくれてるし、そういうのとっぱらってまたこの曲をライブでギンギンに鳴り響かせて欲しい。カッコイイんだからホントにもう。

実際、この曲の何が凄いって、サビのド頭に普通は使わないような単語『実際』を連発してサマになってるところなんだよね。実際、今回連発してみたんだけどホントこの響きは使い所難しいわこりゃ……。