無意識日記々

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らすきす?

『One Last Kiss』というタイトルを目にした時にすぐに頭に浮かんだのはDREAM THEATERの"One Last Time"だった。先月末にライブ盤がリリースされて愛聴してたもんだから。ラブリエによるアルバム全編に渡っての“One Last Time"の歌い分けが絶品でなー。同じメロディでも歌い方ひとつでこうも変わるかと。シンプルなフレーズなだけに特に歌唱力への比重が大きくなる曲だ。

ヒカルの『One Last Kiss』はどんな歌い方なのか。80年代風に言えば「最後にも一度口づけを」って事なんだろうが、このフレーズをベタにならずに歌うのは結構大変な気がする。歌詞に『One Last Kiss』って出てこない可能性もある。

そもそも、字面も意味も既視感を喚起させるものだ。『One』という単語は『One Night Magic』や『This One』のタイトルにも登場しているし、『Last』も『Be My Last』、『Kiss』も『Kiss & Cry』で使われている。ヒカルは特段タイトルに使う単語が重複しないように気を遣ってる訳ではなく、『Love(愛)』や『人生』などは複数回使われていたりする。それでも三つ並ぶのは流石に何か意図的なものを感じる。

意味の上でも否応無く『First Love』の歌い出し『最後のキスはタバコのFlavorがした』を思い起こさせる。このフレーズは嘗て『Flavor Of Life』でも想起を狙って“Flavor"が使われた位なのでまたもやかと思わせる。

つまり、『One Last Kiss』のテーマは“remembering"なのではないか。追憶とか記憶、思い出などを多層的に扱って展開していく予感がする。EPが過去のヒカルによるエヴァ歌全収録なのもそのコンセプトに沿ったものだと考えれば合点がいく。総力戦と見せてずっと『One Last Kiss』の手のひらの上、みたいな感じに思い出が演出されていくのだ。

この『Kiss』はきっと『Goodbye Happiness』のそれにも近い。この歌では『あの頃』を破る合図としてKissが設えられていた。今回もこのKissと前と後で何かが変わる。最後の新劇場版に相応しいテーマなんじゃないだろうか。

『Kiss』といえば『誓い』&『Don't Think Twice』では二度も三度も求めていたな。勿論『Kiss & Cry』でも…って、そうやって他の曲のKissについても論じていきたいが、まぁそれは追々ですわね。今日曲名が発表になったばかりなので焦らずいかないと。毎度ながら私ってほんと前がかり。(笑)