無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

あれは「桜の樹の下でうただ寝」?

昨日の【今日は何の日宇多田ヒカル】で取り上げたのは23年前のこのメッセだった。

***** *****

1999.04.07

一時間20分の安楽

今日、生れて初めてのお花見をしたぞっ!!

あまりにも天気がよかったから、2時限目の日本社会科学の先生を口説き倒して(笑)、野外授業をさせてもらったんだ♪学校の敷地内に桜の木が一本だけあって、その真下にある、ピクニック用としか思えない、木でできたベンチとテーブルで授業をした。

と、言っても、全然授業にならなかったよ!(作戦通り・・・・ニヤッ)はじめは、家永三郎氏(文部省に対して教科書の裁判を起こした人)の「日本文化史」を勉強してたんだけど・・・先生が「誰かカメラ持ってません??カメラ」って言い出して、桜の花びらが舞い狂う中、記念写真を5枚くらい撮ったー♪もう話は脱線しまくって、なぜか平家物語の話になったり、そこからなぜか「春になってカップルが多くてうらやましいぜちきしょー」みたいな内容の俳句をクラス全員で作ってたり(笑)まぶしすぎてサングラスをかけてる生徒が多かったからかなりあやしかたはずっ!!(笑)

そんな風に、とっても有意義な1時間20分が過ごせた・・・ふ。不思議なのは、前にも桜の木がドワーーーって並んでるところを歩いたことはあるのに、今日の一本の小さな桜の木の方がなんだかすごくキレイだったこと。ちょうど貴族社会の勉強をしてたから、非常に風流じゃった!ふぉ〜っほっほっほっ

久しぶりに、本当に心を休めることができましたっ♪1時間20分の心の休暇だー!神様っ、あの青い空と、小さな桜の木と、少しだけ冷たい風を、今日はどうもありがとーーーう!!!

https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_118.html

***** *****

いやぁ、高校時代の楽しそうなエピソードだねぇ。

それに、こんな引用リツイートがついた。

@kukuchang : この時のことが「traveling」のネタになってたりするのかな?[emoji:040]☺️

#宇多田ヒカル

https://twitter.com/Kukuchang/status/1511975861821468672

確かに! 今まで思いつきもしなかったけど。

traveling』の歌詞には、皆さん御存知の通り「平家物語」からの引用がみられる。

『ふいに我に返りクラリ

 春の夜の夢の如し』

『若さ故にすぐにチラリ

 風の前の塵に同じ』

上記のメッセを読むと『なぜか平家物語の話になったり』『春になって』『少しだけ冷たい風』なんてキーワードも出て来てるしこれはかなり信憑性が高いのでは!? 確かに春の夜じゃなくて春の朝なんだけど、寧ろヒカルの作詞の手法としては「幾つかのエピソードをほんの少し変形させてそれらを組み合わせる」のが王道だから、要素レベルで共通点があるならそこは疑ってみてもいい。

歌詞全体で見ても、カップルを囃し立てるような感じもあるし(笑)、いやぁこれはますます。

それに、あのプロモーション・ビデオですよ! きりやんによってタクシーではなく銀河鉄道999をモチーフにした作りになっているのだが、コンセプトは「異形の者たちが異星へ遠足に繰り出す」っていう風になっている。ヒカルが旗を持って引率する姿は、ミラクルひかるがテレビに沢山出始めた当時コスプレしてた衣装でまさに宇多田ヒカルの昔のヴィジュアルイメージの象徴的存在なのだが、確かにこの日のメッセの「いつもの日常からちょっと抜け出してみんなで楽しいことをする」遠足感と符合する! 何より、エンディングですよ。最後にヒカルは切り離された車両のなかでひとりうたた寝をしているのだが、その車両の置かれた場所が丘の上の1本だけ立ってる大木の下なのよっ。メッセに『学校の敷地内に桜の木が一本だけあって』ってあるけど、まんまじゃん! なおビデオでは大木の上の方は映らないのでそれが桜の樹なのかまではわかりません。ともあれ、これはきりやんが当時ヒカルに『traveling』の歌詞の元ネタをヒアリングして作品に盛り込んだ可能性が大いに出てきたなっ。

でもやっぱ、このメッセ全体に漂う昂揚感だよね。このウキウキしたHikkiの感じがtravelingのあの曲調そっくりなのが、いちばん説得力あるわ。他人を説得するには理屈が大事になってくるけど、自分自身を説得するにはこういうフィーリングがもっと大事なのでした。それにしても慧眼ね@kukuchang!