ヒカルさんがノンバイナリなどの概念を積極的に広めたいと思っている…と言っても、はてさてではうちらは具体的に何をすればいいのかというとこれがなかなか思いつかない。あたしも身の回りにそういう人居ないしねぇ。いや、居ても気がついてないだけというのもあるかもだが。社会的現状を鑑みると「気付いて欲しくない」と思ってる人もいるかもしれんし。
何か意識してやったことといえば英文での代名詞をshe/her/herからthey/them/theirに変えたことくらいか。これだってヒカルはInstagramで表記を「she/they」にしてるから、sheのままでも構わないのだろうし、実質殆ど何もしとらんな。
それに、当事者で無い人にとってこういったジェンダーの話題は、シンプルに難しい。これまでは、ヒトには性別というのがあって男女二つに大別されますよ、という程度の情報しかなかった所に「まず性的指向と性自認とは別の概念で…」くらいから始まってトランスジェンダーの種類とか耳慣れない用語の数々とかに触れ始めると「もうこんなん元素の周期表覚えるくらいの気合い要るやん…」ってなってくるのよね。当事者でない人がこれだけの労力を割けるかというと、現実としては難しいんじゃあなかろうか。
だから、当事者でない、今はのほほんとしていられる(私みたいな)層の人間は、そういった様々な概念を持つ、得る、新しく覚えるという事に注力するより、今持ってる概念を捨てることの方を考えた方がいいのかもしれない。捨てるのは普段考えずに用いてる先入観の数々だ。今はもう古くなりつつあるが、「ランドセルの色。男は黒、女は赤。」みたいなそういう「考えてみたらそんなの必要ないのでは?」な概念・慣習・常識。実際、我々の世代と違って名簿が男女別になってないならランドセルの色なんて何色でも構わんでしょ。
なので、こういった話題に触れたときに「シスジェンダー?FtoM?」とかって用語に混乱してしまうくらいなら、そういうのを覚えるのは一旦諦めて、どちらかといえば「確かに言われてみればよく考えずに思い込んでたかもなぁ」という風に、自分の持ってる"常識"を解体する機会にしていくのがいいんじゃないかなと。こういう問題について考える機会にしましょう、ってことですね。
実際、ヒカルがノンバイナリ発言したときも「あんた昔からそんな感じじゃん」としか思わなかったからねぇ私なんか。そこでは既に既存の常識?に当て嵌めるなんてことは頭になかった。ヒカルに触れていれば、言葉としては新しくても概念としては馴染み深い、なんてことも起きてくる訳だ。いちばん必要なのは、普段はシンプルすぎて最早意識してないが、継続してしっかりヒカルの発するメッセージを受け取っていく事になるでしょうな。ここの読者に対しては言うまでもない、か。