無意識日記々

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デイビッドは和三盆!

おおぅ、「First Love 初恋」は17時に配信が始まったのね。てことで全9話一挙配信なのか。17時ジャストから倍速で観てたとしてもまだ観終わった人居ないよね。

さて、一挙配信ならこれネタバレネタはどうしたものか。いつドラマの感想をここに書くのが正解なのか? 難しいなぁ。下手に全部観ちゃったら、ネタバレ書かなくても行間から読み取れる事が出来てきちゃうもんねぇ。でも折角なので観てみたいし、取り敢えず後でぼちぼち第1話を観てみてから判断しますかね。

ドラマの方は一旦置いておいて、一昨日からの話の続きを。CDシングル『First Love』収録トラックについてだったね。まずは『First Love - featuring David Sanborn』から。

このトラック、かなりゲスト泣かせ。というのも、まるっきりオリジナルと同じ音源を渡されて「ここに貴方の演奏を足して」という依頼だったようだから。既にアレンジが完成されてる所に音を足したら大体蛇足になるじゃん…! よくこんなオファー受けたなと。

しかしそこは百戦錬磨のデイビッド・サンボーン。彼のウィキペディアを見てくれればわかる通り、24年前のこの時点で既に歌モノでのゲスト演奏は経験豊富でして、見事なパフォーマンスで魅せてくれております。

鍵となるのは「弾かなくていい所は弾かない」こと。実際、多分どこに音を足してもよかったんだろうにこの人、1番まるまる放置して、2番に到る間奏部分まで全く音出さないからね。この潔さが成果を生んだ。

そこからも、出しゃばらない。控えめに脇を支えるのに徹する。サビに入ってストリングスが派手になってきてやっと「ここでなら多少は吹いても大丈夫かな?」という具合に気合いを入れてはくるものの、それでもまだ控えめ。歌モノバラードにおけるサックス演奏の機微をわかってらっしゃると申しますか。

とはいえ、吹くべき所ではしっかり吹いてくる。2番のサビが終わってキーチェンジして更に盛り上がる所ではキッチリと半音階上げてアピール。あそこの心地良さがハイライトだよね。そのあとアウトロに向かってしっかりとサックスソロをまとめて終局。実に巧い。

『First Love』という曲はピアノを筆頭にしてクラシック・ギターとストリングスがしっかりとアレンジを支えている為、そうそうサックスが入れる隙間がない。1番サビ以降はラウドなベースとドラムスもやってくるし、果たしてどこにどう音を入れればと思案したかと思う。特に、ギターの演奏がとても控えめな為(元々音の小さい楽器ですしね)、これを邪魔しないようにというのは考えたかと思うが、うまく入れ替わり立ち替わりになるように音を差し挟んでるわね。オブリガートと言うのも烏滸がましい程慎ましくね。テクニックをひけらかすことなく、歌がより活きる構成になっていて、如何にも手練れだなぁと感じさせる仕上がりになっております。

裏を返せば、ゲストの存在感で押して全くオリジナルと違う印象を与えるというよりは、オリジナルの持ち味に少し化粧を足した程度の、楽曲の持ち味をそのまま活かすアプローチな訳で、「そんなのわざわざ高いギャラ払って呼んだ甲斐がないじゃん」と評価されるリスクもあったかもね。ここらへんは好みの問題かな。私は好きなのです。日本人好みの「引きの美学」の中に甘い旋律を忍ばせる、まるで上品な和菓子のようなセンス。うむ、そう、「サンボーンさん、まるで和三盆みたいな味わいだったね」という駄洒落を言いたかっただけなのです今回は!すいませんでしたっ!(笑)