無意識日記々

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フリフリの お尻が何とも 以下自主規制

特に悩まずに前回からの続き(なんか薄情やな?)。『Find Love』&『キレイな人』の曲構成は独特だ。一応踏まえておこう。

基本的にオープニングの印象は「ダンスチューン」である。Aメロがイントロからのあのユーモラスな音色を受け継いだリズムを続行し、Bメロで例のシンセベースが切り込んできてリズムが加速する(といってもテンポは同じだ。体感の話だね。)。ここらへんまで聴いて「あぁ、ダンサブルな曲だな」という印象が固まるのだが、サビで一転、ドラムとベースが黙りこくって歌とシンセベースの2つだけが残る。そこからまた2番はAメロBメロと加速し直してまたサビでリズム隊が引っ込む…という構成が再現された後2:16でエレクトリックピアノのクイックアルペジオから曲調が大人しくなっていく、という構成になっている。

これは、謂わば『One Last Kiss』の真逆な曲構成みたいなものだ。同曲は1番2番と徐々に加速していき(それには途中から切り込んでくるジョディの生ベース演奏なんかも含まれてる)、後半そこから更に加速して私が勝手に「A.G.Cookのリミックスパート」と呼ぶ非常に分厚いダンスリミックス演奏に突入していく。要は、2回のブレイクを除いて1番2番以降終始加速していくのが『One Last Kiss』だ。翻って『Find Love』&『キレイな人』は1番2番と加速してから曲の真ん中で急に減速局面に方向転換していく。全く以て対照的である。

ここらへんの構成について、ヒカルの歌い方の意識はどうなっているのかなというのが私の当初の関心だったのだが、LSAS2022の映像でその一端を確認することができた。

「歌い方の意識」とは何かというと、『Find Love』&『キレイな人』って、バックの演奏はストップ&ダッシュな一方で歌自体はずっとダンサブルというか、テンション自体はそんなに上下しないのね。後半でもしっとりとしたエレピをバックに『til I find love...』って速いパッセージを十数回繰り返したりするし。これ、ヒカルはバックの演奏をまるっきり無視してるのかな?とトラックだけを聴いた時点では訝しんでいた。

だが映像でスタジオライブを観て、どうやらそうではなさそうだと確信できた。というのも、ヒカルさん、歌ってる時に腰でリズムをとってるのよ。特に、背後のガラスに写ってるフリフリのお尻が何とも以下自主規制なのだが、それによってどうバックの演奏を感じ取っているかが窺えるのだ。

ヒカルさん、1番2番はサビでドラムがストップしてもそのままシンセベースに合わせてリズムを取り続けている。つまり、2:16までの前半部分はヒカルにとってこの曲はバックの演奏がどうだろうがノリノリのダンスチューンなのだずっと。しかし、2:16以降は(少しわかりにくいが)もっとゆったりと身体を揺らすようになる。テンポの解釈が半分になるのだ。実際、後半の後半ではドラムの刻むビートが前半の4分の1という至極なゆったりモードへと移行している。音だけ聴いていると前半と変わらないテンションで歌っているのかなと思っていた後半部分もヒカルはちゃんと「バラードとして」捉えているのが、そのかわいいお尻の振り方でよくよくわかったのだった。

ここらへんが、私が繰り返し「『Find Love』&『キレイな人』の本質はバラードだ」と宣う理由の一つとなっている。この独特の曲構成と歌詞がどう結び付いているかという話から前々々回の話題の続きに戻れるといいんだが毎度の事ですがそういうのって書いてみないとどうなるかわかんないのよね私の場合っ!