無意識日記々

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2022年ヒカルアナログ最高売上は『BADモード』!

週末の宇多田ヒカル関連のニュースといえば、2022年の年間アナログ盤セールス総括の報があった。

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2022年 年間アナログ・レコード売上動向発表 総売上金額が前年比104%に アーティスト別首位は宇多田ヒカル【SoundScan Japan調べ】

アーティスト別の売上金額では、約3.8億円を売り上げた宇多田ヒカルが首位に輝いた。2022年はオリジナルアルバムのアナログ盤や、Netflixシリーズ『First Love 初恋』の公開を記念した7inchアナログ盤『First Love/初恋』など多くのリリースがあったことが今回の結果に繋がっている。なお、アーティスト別の売上枚数においても宇多田ヒカルが首位となった。

◎アナログ・シングル・セールス

1位『First Love/初恋』宇多田ヒカル

2位『M八七』米津玄師

3位『夢で逢えたら大滝詠一

4位『残響散歌/朝が来る』Aimer

5位『明け星/白銀』LiSA

◎アナログ・アルバム・セールス

1位『SOFTLY』山下達郎

2位『BADモード』宇多田ヒカル

3位『First Love』宇多田ヒカル

3位『LOVE ALL SERVE ALL』藤井 風

5位『Quiet Life』竹内まりや

(以上抜粋引用)

https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/121794/2

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アーティスト別で見事首位獲得。いやそりゃまぁ宇多田ヒカルがオリジナルアルバム総てをアンコール・プレスの『初恋』と最新作『BADモード』をも含めて8枚リリースした上シングル盤でも最大の名曲『First Love』まで繰り出してきたんだからそりゃ首位獲得するですよ。昨年獲らなきゃいつ獲るんだというくらい、キャリアで最もアナログ盤を売った年になったのではないだろうか(一昨年も1位だけどね)。寧ろ、そんな中アルバム部門で1位をかっ攫った山下達郎とその熱心なファン(“超常連”勢)に拍手を贈りたい気分ですわ。

で。そのアルバム部門の順位をみてみると、2位が『BADモード』で3位が『First Love』となっている。「…ん?」と思って2022年上半期のチャートを振り返ってみた。

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2022年上半期アナログ・レコード売上動向発表 アーティスト別では宇多田ヒカルが1位に【SoundScan Japan調べ】

アナログ・アルバムでは山下達郎『SOFTLY』が1位を獲得。そして2位から9位は、宇多田ヒカルのオリジナルアルバムが続いている。今回その中でも1stアルバム『First Love』が一番売れていることが分かった。

◎シングル・セールスTOP5

1位『残響散歌/朝が来る』Aimer

2位『明け星/白銀』LiSA

3位『ごくつぶし』ザ・クロマニヨンズ

4位『The Rumbling』SiM

5位『PLASTIC LOVE』竹内まりや

◎アルバム・セールスTOP5

1位『SOFTLY』山下達郎

2位『First Love』宇多田ヒカル

3位『BADモード』宇多田ヒカル

4位『Fantôme』宇多田ヒカル

5位『DEEP RIVER宇多田ヒカル

(以上引用)

https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/115383/2

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そうなんですよ、上半期の時点では『BADモード』よりも『First Love』の方が売れていたのよ。それが下半期で逆転したことになる、のよねコレ?

確かに、発売日の違いはある。『BADモード』より『First Love』の方が7週間早くリリースされた為そのアドバンテージはデカかっただろう上半期の時点では。しかし、アナログ盤のセールスはCD以上に初動型ではなかったか。それを鑑みると、これはやはり『BADモード』のアナログ盤がかなりのロング・セールスを記録した、ということになる気がするのだがどうだろうか?

ここの分析は正直余り踏み込めない。妄想や霊感のレベルでいいのなら、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』をアナログ盤で手に入れたい層が一定数以上居たのかもしれないな、とかいう仮説は思い付いた。あれはDJ受け抜群だろうから。7インチ(でも12インチでも)出てたらバカ売れしたと今でも思ってる。いや今からリリースしても売れるんじゃない?

あとは、もう素直に、余りにも『BADモード』が傑作過ぎたからCDだけでは飽き足らずアナログ盤でも持っていたい!というニーズが高まったからか? 要は内容が抜群に良かったから売れた、という仮説だがこれはちょっと私の願望が入り過ぎてるかな。

あとは、『First Love』が品切れになってしまった、というセンもある。アナログ・レコードは生産体制が限られている為おいそれとは増産できない。エピックもある程度上限を決めて生産していた筈だ。

例えば、上記のシングル盤の方のTOP5をみてみよう。年間総合で『First Love/初恋』が、上半期でワンツーフィニッシュを飾ったLiSA&Aimerちゃんの鬼滅の刃コンビ(こちらもソニー)を見事に抜き去って年間No.1に輝いている。だが、これ鬼滅の刃コンビは「シリアルナンバーつき完全生産限定盤」なのよね共に。なので途中でセールスが頭打ちになっている筈なので、これをもって宇多田達郎大滝が今をときめく鬼滅の刃の勢いを上回ったと受け止めてしまうのは一拍おくべきなのだ。宇多田ヒカルのアナログ盤も、特に過去作は生産数の上限が決まっていて、最新作『BADモード』のみ上限が無かったか他より高かったのだろう。

そういった生産上の理由はあったかもしれないにせよ、『BADモード』が年間2位、宇多田間で首位を獲得したのは紛れもない事実なので、それ自体は素直に喜んでおきたい。後から振り返った時に「2022年、宇多田ヒカルのアナログ盤オリジナルアルバム全作リリースで最も売れたのはその時点での最新作だった」という事実は途轍もなくデカい。デビュー24年にしてその時点まででの最高潮に達していたという印象(僕に言わせれば事実)を与えられるんだからね。こういうのは10年20年経ってから効いてくる。そうなった時にまた振り返ってみますかね(…気の長い話だ…)。