無意識日記々

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どこのラノベだよ!という話

きっとこのあと与太話を書く隙はないと思うので今のうちにあんまり関係の深くない話を。

https://www.nhk.jp/p/boogie/

10月からのNHK朝の連続テレビ小説は「ブギウギ」。昭和の時代の大ヒット曲「東京ブギウギ」からとられたドラマタイトルからわかる通り、歌手の笠置シヅ子をモデルにした物語になるそうな。とかると当然、その作曲者である服部良一もフィーチャーされるだろう。まるで当然のように同ドラマの音楽担当は彼の孫にあたる服部隆之だ。服部良一服部克久服部隆之と三代続けて著名な音楽家を輩出したとんでもない一家である。

服部良一に関しては、「洋楽の要素を吸収しながら如何に日本語で大衆音楽を成立させるか」という命題に取り組んだ最初期の偉大な音楽家という側面もあり、直接の影響はなくとも、同じく洋楽をベースにしながら革新的な日本語の歌を作り続けている宇多田ヒカルとしても参考になる部分は多いなと常々思っている。もっと言えば、ジャズやブルースやビッグハンドをバックグラウンドに持ちながら日本語をどう乗せるかのモデルケース、教科書的存在なので、後発の日本語作詞家は彼・服部良一の足跡を、意識せずとも考慮に入れて取り組まねばならない運命にあるとすら言える。「彼の手法を真似てしまえばどうしても昭和になる」ので、彼の手垢をどう避けるかが以後の課題となっていったのだ。日本の大衆歌に対して過去最も影響力の大きい音楽家の一人といえるだろう。決して誇張ではないと思う。

そんな服部良一から始まる服部一族と宇多田ヒカル、今のところ直接の関係は無いというのが一般認識なのだが、ファンなら御存知かな、この一族との「ニアミスまがい」な出会いが過去にあった事はあまり知られていない。16年前のメッセをまるごと引用しよう。

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2007.06.15

14年振りに・・・

小・中学校の一年先輩だった男の子が、いつの間にかすごいダンサーになってた!

w(゚o゚)w オォ-

見てよこれ。飛んでるよ。虚空を舞ってるよ。

っつか体脂肪率何パーセントなんだよ。

名を、服部有吉くんという人です!

トップランナーで観た人も多いかな?)

彼が演出・振り付け・主演する舞台の情報を聞きつけて、同校出身の友達とさっそく観にいってきちゃったよ。んでもってさっき帰宅。

外見は全然変わってなくて、顔とか後ろ姿とか昔のまんまなのに、中身が変わりすぎててびびった!

いろんな意味でかっこよくなってたけど、なんかめちゃめちゃ好青年になってた。中1の頃は・・・本当にむかつく悪ガキだったのに(笑)とにかくいたずらっ子で、早口でうるさくて(・・・あれ?私のことじゃねーか?これ)・・・日本語の授業で彼の前の席になってしまった私は何度うしろから頭を叩かれたことか・・・。

あんなに頭を叩かれたのは、後にも先にも有吉くんにだけなのです。「ちっきしょ〜!」と思ってたんだけど、年下で後輩の私はちょっと彼が怖くて反撃できんかったのです。

そんなわけで強烈に印象に残ってたの。

でも彼はすぐ転校しちゃったから、絶対私のこと覚えてないだろ・・・と思ってたんだけど、今日公演終了後に楽屋に挨拶にいったら、なんとなく覚えてるとのこと。ほんとかよ。

「そう、おれ昔ほんといやなガキだったんだよ〜!」って本人も認めてたからよしとしよう☆

14年ぶりか〜。すごい変な感じだった。なんかキモかった。その状況が。時間って空間なんだな〜って感じがして。近いんだけど異様に遠くて。でもすぐそこにいて!

RHAPSODY IN BLUEっていうタイトルのこの舞台、今週末渋谷のBunkamuraで公演中。(宣伝宣伝☆)

面白かったよー。ダンスになじみが無い人でも楽しめるようになってて。音楽好きな人ならすぐ入り込めそう。

演出はいい意味ですごく若さを感じた!若いエネルギーというか、意欲に溢れてたよ。やっぱり一番印象深いのは有吉くんの動きだけどね。他の出演者もいいんだけど、ありゃすげーわ。舞台が急にきゅきゅっと引き締まるよ。

私もお仕事がんばろっと(´3`)

ちなみに写真にうつってるのは、劇場でもらったファンクラブの入会申込書であって、決して私が彼のファンクラブに入っているわけではない!!(笑)

https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_51.html

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そう、このとき登場した「服部有吉」くんこそが、その昭和の偉大なる作曲家服部良一直系のお孫さんなのでした。昭和の大衆音楽をリードした音楽家の孫が平成の音楽シーンを塗り替えた音楽家と席が前後ろだったなんてどこのラノベだよ!いつの時代のラブコメだよ!と興奮せずにはいられないとこだが、残念ながらというか何なのか、それ以上の進展は無かった模様。でもこのヒカルの書き方からすると、有吉くん明らかにヒカルのこと好きだったよねぇ。こども過ぎてちょっかい出すことしか出来ない中一男子、あるある過ぎて共感性羞恥が甚だしいわ…。もし彼がもうほんのちょっと大人で、バレエより音楽に興味があったなら、服部良一~服部良次(役者さんで克久の兄)~服部有吉のラインと藤圭子宇多田ヒカルのラインが交わるというとんでもないハイブリッド・センセーションが起こってたのかと思うと…そんな妄想が捗るなぁという話でしたとさ。

服部良一の偉大さはその朝ドラ「ブギウギ」でも幾らか描かれると思うのでちっとばかし見てみるかな~。