無意識日記々

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来年20周年&15周年なんすよ、あの2枚が。

前回は「一度しかセッションしなかった相手との仕事も満足の行く作品に仕上げられる」ところが宇多田ヒカルのプロフェッショナリズムだという話をしたが、過去には珍しく出来上がりに不満を溢した作品も存在する。2001年に公開された映画「ラッシュアワー2」のサントラ収録の『Blow My Whistle feat. Foxy Brown』だ。

まぁそれもその筈、ヒカルが手掛けたのは自分の歌メロと歌詞と歌唱までで、曲の半分はデュエット相手のFoxy Brownのパートだし、サウンド・プロダクションにはノータッチだったのだから(クレジットが正確であれば)。もっと自分好みのサウンドにしたかったのだろう。

だったらリメイクすりゃいいじゃんね。遠慮することはない。原曲については、もしかしたら映画のサントラ曲なので原盤権の権利処理が大変なのかもしれない。ディズニーが絡んだ『Sanctuary』がリリースまで時間が掛かった事を思い起こすと(4年以上だろうか)、キングダムハーツほどのファンがついていない「ラッシュアワー2」の音源に対してそこまで手間暇予算を掛ける事は難しいか。

なら、リメイク・リレコーディングなどを経れば収録は可能なんじゃないのかな。

折しも、と言っていいのかはわからないが、来年2024年はUTADAの1stアルバム『EXODUS』発売20周年だし、同時に2ndアルバム『This Is The One』発売15周年だ。周年記念盤の目玉として『Blow My Whistle』のリメイクをボーナストラックのひとつとするのはなかなかいいアイデアじゃなかろうか。

ただ、現行だとUTADA時代の周年記念盤が出る可能性は殆ど無い。今のEPICのスタッフの皆さんが関わっていないアルバムの為、彼らに思い入れがないからだ。勿論まずは商業的に有効なプロジェクトかどうかは問われるが、そもそも世に出したいという情熱を最初にスタッフが持っていないと何も物事は動かない。なので「思い入れがない」というのは結構影響力がデカいというかそれが総てとすら言える。

とはいえ、昨年は『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』で『Hotel Lobby』と『About Me』を歌い、『BADモード』を「初めてのバイリンガル・アルバム」と称したのだから、流れとしては「宇多田ヒカルの過去の英語曲の再評価」についてフォーカスされるべきだろう。『Blow My Whistle』はHikaru Utada名義、『EXODUS』と『This Is The One』はUTADA名義だったが、リメイクやリレコーディングを通すことで改めて現在の宇多田ヒカル名義の元にバック・カタログを統一的に扱えるようになるのではないかな。

勿論、目下の所はヒカルの新曲の制作が最優先だ。『First Love』の15周年記念盤だってヒカルが人間活動期だったから計画されたに過ぎない(…のよね?)。来年はデビュー25周年イヤーとなるので新譜…とまではいかなくとも新曲の連発となんらかのコンサート企画(単発でもツアーでも)は期待したいところ。なので過去曲のリメイクやリレコーディングなんかしている暇は無い。だが、もし新曲や新譜の制作中に行き詰まりを感じたら息抜きとしてそういった作業に一旦勤しむことも有効になるかもしれない。そんな風にも考えるのでありました。

ま、いちばん現実的に可能なのはライブで歌っちゃってその音源をリリースすることなのだけど、今や3桁となったレパートリーから選曲されるのは至難の業。だから夢物語と言われればそれまでなのだけど、なので半分は希望、半分は供養のつもりで書かせてうただきましたとさ。でも、まるっきり諦める気はあらへんからなっ! いや、いい曲なんだよ『Blow My Whistle』ってさ…。