無意識日記々

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君がくれたのは心の花なのか

新曲『何色でもない花』のタイトル名が解禁になったのはドラマのオープニング・クレジットだった。面食らったね。まさかそんなタイミングで、字幕のみで明かされるだなんて思ってなかったんで。んでそこから約70分間、その響きから連想される歌詞を妄想するタイムに突入したのは多分私だけじゃなかっただろう。…うん、ドラマもちゃんと観なさいよ?(笑)

『色』と『花』でまず連想したのが『花束を君に』の『涙色の花束』だったかな。それに加えて『Gold 〜また逢う日まで〜』の『いつかまた思い出話をする日の花』とかだろうか。『Gold』ってタイトルは黄金色のことではあるけれど、確かに、どちらも特定の視覚的光学的な色を連想させない表現だったので、その流れから『何色でもない花』というのは、如何にもヒカルらしいかなと思った。

ただ、近年のヒカルの歌の歌詞に出てくる『花』は『嫉妬されるべき人生』の『母の遺影に供える花』に代表される弔いのイメージがどうしても強い…というか、何しろ起点が上記の『涙色の花束』を擁する『花束を君に』だからね、どうしたってそう連想してしまう。故に、この曲タイトルを観て「嗚呼、このドラマではこの後誰かが死ぬんだろうかな」だなんて縁起でもない事を考えてしまった。

(そういや、今はTverであとから観るって人も結構いらっしゃるかなと思うけど、ネタバレってどこらへんからOKにすべきだろうね? 気にせず書いちゃっていいかな?

…という感じで今、尺を使ったので(笑)、ネタバレを厭う方はここらへんで一旦ブラウザを閉じてくださいませm(_ _)m )

んで、だ。結局ドラマでは悲劇が起きて、それに沿う形で新曲『何色でもない花』が─23年前の『HERO』のように独立したエンドロールをバックに流れるのではなく─、エンディングであるとはいえ一応劇中歌として流れ始めた訳だが、またその歌い出しに驚いたというか。

『君がくれたのは 何色でもない花』

ドラマのタイトルが『君が心をくれたから』で、歌のタイトルが『何色でもない花』なので、出だしの1行で両方回収してしまった訳だ。これには更に面食らったよ。

まず、タイアップ相手の名前(ほぼ、だけど)を歌の歌い出しにしたことが初めてだ。インパクトであれば『Kiss & Cry』の『今日は日清Cup Noodle』が最強かと思うが、あれとて歌が随分進んでから登場する。ド頭なんて今までなかった。

この歌詞の構成と、先ほど触れたように曲名をオープニングで明かしてしまったのは、果たして演出意図だったのかどうなのか。少なくとも私には相当効果的であった。「ヒカルがこのドラマの為に歌を作ったんだ!」と瞬く間に思わされてしまった。勿論、曲タイトルを伏せてただ『君がくれたのは…』と歌い出しただけでもかなり効果的だっただろうが、「ドラマタイトルと曲タイトルを直接繋げたセンテンスで歌い出した」という事実を突きつけられる方がよりインパクトがあったわ。

そして、この事によりリスナーは自動的に(Automaticに)『何色でもない花』が「心」のことだと何となく理解する。ロジックで言えばそうだよね。いやたとえそんな直接的でなくとも、『何色でもない』ことが精神的・心象的な価値を指しそうだというのは雰囲気で掴めたんじゃないかなと思われる。ホント、どこまで狙っていたんだか?

結局この歌い出しひとつで、自分の中で宇多田ヒカルの『何色でもない花』とテレビドラマ「君が心をくれたから』がかなり固く結びついてしまった。何であれば、ここに来て遂にドラマのタイトルを憶えてしまった!(今までどうしてたんだよ(笑)) 次回はそこら辺のややこしい感情についての話に、なるかな?