無意識日記々

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密かに不穏なバックコーラスが示唆するもの


ドラマ「君が心をくれたから」、第2話で順調に(と表現するとサイコパス味がありますね)味覚を失って、このまま第6話までテンポよくいくのだろうかな。主題歌で新しく聴けた所はないけれど、第1話同様2コーラス分はフルで流してくれてる訳で、これはかなりの厚遇というか、今後の展開を見据えて重用しているとみたらいいか。2020年の『Time』なんかはドラマの進行に合わせて少しずつ歌の先が見えてきて楽しかったな。今後も期待しよう。


その主題歌『何色でもない花』、歌詞も耳を引くけれど、今回はバックコーラスの入れ方が異様と言いたくなるほどに特徴的だ。今回も三宅Pがが関わっているのかな、バックの演奏はほぼピアノのみでシンプルなのに、歌声の重ね方がやたら凝っていて全然ルーティンワークみがない。どの言葉にバックコーラスをつけてくるかてんで予想がつかないし、音の運び方もオーソドックスな三度五度上下をただなぞる事をよしとしない。


細かく見ても面白いけれど、これらの工夫によって生じる効果がやや狂気を孕ませる方向に誘導してきてる感覚が気にかかる。メインのヴォーカルが特に静かで優しげなので、そのギャップが聴き手の心に僅かにさざなみを生じさせる。ここら辺の匙加減が絶妙で、聴き手に不安や不快を感じさせるところまではいかない。なので普通に聴いている分には特に違和感はないのだけど、細かくみていくと、んんん?全然普通じゃないぞと気がついてくる。


もしこの“効果”が、作り手側が狙ってこちらにもたらしてくれているものなのであれば、もしかしたら、先にドラマのプロットを読んだというヒカルが、ストーリーの相似形としてバックコーラスアレンジを施したという事も存外あり得る。シンエヴァのストーリーを全握していない段階で『One Last Kiss』の曲展開を映画の構成と相似形に仕上げてきた宇多田ヒカルなのだ、それくらいのことはやってのけるだろう。


となると、もう第2話でかなりのFFさんが脱落しているけれど、やはりもしかしたら、予想される『何色でもない花」の曲構成同様、「君が心をくれたから」も第6話以降から全く別のドラマになるんではないだろうか? 各話の予告編のバックで流れているトレイラー外の部分からも推し量れる通り。


ならば暫く我慢してドラマを観ていた方がいい? いやいや、今はTverがあるからね、各話ダイジェストが都度アップされていくからそれを観てそこから追いつくことがいつでも可能だ。観てる人が「面白くなってきた!」と言い出してから追いついていけばいいかなと思う。ヒカルさんもストーリーを読んでこの依頼を引き受けたんだし、主演の子も似たようなこと言ってたな、断るつもりだったけど脚本読んで翻意したって。果たして、ドラマの展開も『何色でもない花』同様、劇的なものになっていくのでしょーか?