今朝のNHK第1「マイあさ!」の特集は「東日本大震災の日2011年3月11日が誕生日の子どもたち」。なるほど彼らももう13歳、早生まれになるから中学2年生? 大きくなったもんだね。
つまりは、その東日本大地震にインスパイアされた面も大いにある『桜流し』で歌われた
『あなたが守った街のどこかで
今日も響く健やかな産声』
がきっちりと『私たちの続きの足音』へと繋がっているという話。こういう特集はいいね。心から感慨深い。
だがその『桜流し』、皆さんご存知の通り『SCIENCE FICTION』には収録されていない。「宇多田ヒカルのベスト・アルバムに『桜流し』が収録されていない」と言われたら「何考えてるんだ!?」となる私。とはいえ、それと『SCIENCE FICTION』の出来映えの素晴らしさは別の話よね。両立する。ここらへんも、同作をベスト・アルバムとはあんまり呼ばなくていい理由だったりもします。
でも言われてみれば、SFアルバムには、『桜流し』をはじめとしたヒカルの「重めの曲」が、あんまり収録されていないわね。
『Never Let Go』
『A.S.A.P.』
『海路』
『Be My Last』
『テイク5』
『嵐の女神』
『俺の彼女』
『真夏の通り雨』
『夕凪』
『嫉妬されるべき人生』
『気分じゃないの(Not In The Mood)』
この辺りの楽曲だね。特に、ヒカルのディスコグラフィーの中ではかなり重めの方な『ULTRA BLUE』からは『COLORS』1曲のみしか採用されてないからね。『SCIENCE FICTION』は、そういった重いとか暗いとかの作風から少し距離があるといえるか。
確かに、最新曲が落ち着いた躍動感溢れる『Electricity』だもんな。他にも、シングルとしてリリースされているのは『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー (Sci-Fi Edit)』『Automatic (2024 Mix)』『traveling (Re-Recording)』といったラインナップだし、イケイケモード側に少し寄ってる。
これが、ライブの選曲にどう響くか。前も書いた通り『桜流し』を歌わないと「エヴァ曲コンプ」は出来なくなるし、それは『Passion』を欠く「キンハ曲コンプ」案も同様。かといって、SFアルバムからの曲ですら全曲は厳しいのに収録外の曲を歌うとなると、と色々と悩ましい。
アルバム『BADモード』からの流れでダンサブルな方に傾くのはわかるし、アーティストとしての「気分の流れ」は是非大切にして欲しいので今回のツアーはこれでいいけれど、長い目でみたときに、『桜流し』に代表される重めの楽曲たちもまた、どこかで歌ってくれたらなと思わずにはいられませんでしたとさ。こういうのは周期だったりもするので、また機会が来ることを祈ってます。…いや、まだ『SCIENCE FICTION TOUR 2024』のセットリストがどうなるかなんて、誰にもわかんないんだけどね!?