無意識日記々

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『Time』 was lost in SF tour


「SF公演で歌わなかった曲」では敢えて挙げなかったんだけど、『Time』を歌ってたらよかっただろうな、とはちょっと思ったのよね。


『Time』がリリースされたのは2020年5月。アルバム『BADモード』の発売が2022年1月2月だからそれより2年近く前になるんだけど、それもあってかこの曲は「過去と現在の宇多田ヒカルを繋ぐ曲」な印象があって。それはアルバム『SCIENCE FICTION』を聴いてた時も思った事だったな。この曲があることで、バラバラになりかねない過去と現在がぎゅっとひとつに纏まるんだよね。2枚組のボリュームの中で、絶妙な立ち回りをしてくれる。


今回のツアーでは特にリズムセクションが強力だったから、『Time』の独特なタイム感を(って言わざるを得ないでしょーが!(笑))どうライブで表現してくるかってのは見て感じてみたかったんだけど、それはまた次回以降のお楽しみになるかな。


どうにも今回のセットリストは、前半で昔の曲を、後半で最近の曲をということで、時代ごとにくっきりと分かれた構成になっていたので、それらをひとまとめにできる『Time』はその役割を担う必要がなかったんだろうね。過去への郷愁を漂わせつつ、『あの頃より私たち魅力的 魅力的』って歌う歌詞、ホント過去と現在を繋ぐのにピッタリでね。ワームホールの正体お前だろ?って言いたくなるヤツ。ワームホールって時空(Time & Space)のショートカットの話なので、確かに『Time』というタイトルはお誂え向き。


というわけで今回は出番がなかったけれど、ベスト盤ではない、オリジナル・アルバムに伴うツアーであれば、過去曲と最新曲をうまく繋ぐ役割を果たしに、きっと現れてくれるだろうと思うんだよ。ここで、本来持っている「『BADモード』アルバムの楽曲とそれ以前の楽曲の間の作風の橋渡し」のみならず、「あらゆる時代の最新曲を、あらゆる過去の名曲たちと馴染ませる」役割まで『Time』に期待しちゃってるんだけど、なんだかこれ出来そうな気がするのよね彼女なら。(※私は時折楽曲を擬人化します)


『時を戻す呪文』、どこで唱えても楽しそう。コーチェラで『Back To '98 !!』って叫んでたけど、まさに時を戻す呪文だったもんね。こういう曲が、流れを静かに変えられるんだよ。きっと、時の流れさえも。逆流させられるくらいにね。