無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

いきなり話がアンコールにとぶ。

Across The UniverseとCan't Wait 'Til Christmasが並んでいるのを聴いて、思えば遠くに来たもんだ、とあらためて呟く。

The Beatlesの凄さは、ひとりだけでも20世紀最高峰を名乗れるソングライターを2人擁していたことで、更にそれがバンドとしての方向性を巡って切磋琢磨しあったことによる化学反応を引き起こし前にも後にも類をみない楽曲群の充実をみせた事にあるのだが、こと作曲能力に関していえばCWTCを聴く限り光はその2人に伍するところまで来たのだと強く思う。

やや私見になるかもしれないが、強い歌には余計な男は要らない。Across The Universeがギター一本あれば事足りる(今回は二本だったけど)ように、CWTCもピアノ一台あれば十分だ。

他の、今まで光が作ってきた代表的なバラード、例えば初恋やFoLは、それなりの大仰なアレンジに支えられている感もなきにしもあらずだった。実際、初恋を弾き語りしてみたことのある人なら「あらこうなるのか」と感じるハズである(あたしゃやったことないけど)。CWTCはそういったものなしでも十二分に"サマになる"メロディの独立性、歌詞のシンプルなよさがある。そこには、ポール作曲のYesterdayやジョン個人のImagineにも匹敵するかという、"素朴でも全然平気"な楽曲としての生命力、存在感がある。

恐らく光はそこまで"不遜な"考え方はしていなかったに違いない。しかし、アンコールでThe Beatlesの次に演奏しても遜色ないどころか更にぐっとこさせる曲を、デビュー12年目にして新曲初披露というかたちでもってこれるというのは呆れるを通り越して笑うしかない。これだけのところまで来たのなら、一旦アーティストを休むのも、やっぱり納得でありまする。