無意識日記々

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PRIMAL FEAR 「Unbreakable」 (2012.1.25)

Unbreakable (First Pressing with 1 bonus track Limited Edition)

Unbreakable (First Pressing with 1 bonus track Limited Edition)

このバンド、元タイラン・ペイスのヴォーカルと、シナーのリーダーがやってるバンドだと思うと、80年代後半からずっと四半世紀メタルやってるベテランたちのグループってことになるんだよね。いやこのバンド自体も、これが9作目でデビュー15年目だって話だけども。(Wikipedia) で、そんな年季の入った彼らのこの最新作、どういうわけだかアメリカでブレイクしているらしい。PRTのプライム・ムーヴァ(全米のメタル系ラジオのオンエア数チャート)ではトップ3に入るという太健闘ぶり。一体何があった。いや、今作は確かに力作なのだ。アメリカのメタルファンがきっちりこの新作の曲をチェックして、そのクォリティを評価してくれたというのなら嬉しいことである。スタイルは紛れも無いJUDAS PRIESTフォロワーで、あのリズムにあのツインリード、そしてこのハイトーンだ。流石に高音部は苦しくなってきてはいるものの、音程はちゃんと出ているし、何より、ここに至ってもハイトーンでメロディを盛り上げようという姿勢が嬉しい。アルバム後半、特にタイトル・トラックから泣きの大作、そしてメロディック・スピード・メタルに雪崩込む3連打はメタル・ファンなら必ずや溜飲を下げるだろう。このバンド、マット・シナーのメロディ・センスとツインリードギターの切り込み方で、貧弱というか(いや技術はしっかりしてるっぽい)地味なリズム・セクション/ギター・リフを見事にカバーして長い曲もしっかり聴かせてくれている。全曲名曲ってわけにはいかないものの、聴けない曲はないし、どれもそれなりに楽しめるものだ。なんていうか、こういう“何の変哲もないメタル・アルバム”が、一級品のヴォーカルとちゃんとしたプロダクションでリリースされて、それがアメリカのメタルラジオで掛かっているだなんて、なんとも理想的な日々だと思う。そういうのに、なんか憧れてた気がするんだよねぇ。。。いい。なんか、いい。それが、いい。ただ、だからといって例えばこれがJUDAS PRIESTの新譜として発売されたら駄作として叩かれるんだろうな、と冷静に戻ってみると、ちょっと切ない。いや、逆か。いつもご本尊たるPRIESTは、それだけの高い期待とプレッシャーの中で新作を出し続けてたんだな。こうやってフォロワーが佳作を堅実に作っているのをみて、安心して引退できるか、まだまだ俺達がやらなくちゃと思うかは、、、どっちなんだろうな。でも、両方できるだけ元気でやっていってほしい。なんだこのセンチメンタルなレビューは。(笑) 点数は適当。(82)