無意識日記々

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JUDAS PRIEST 「Point Of Entry」(1981)

黄金のスペクトル

黄金のスペクトル

というわけで、前2レビューで話題にあがった「Point Of Entry」を聴いてみた。確かに、メタル・ゴッドJUDAS PRIESTのアルバムとしては弱いが、これはこういう作風の作品だと聴けばリラックスして楽しめる好盤だ。寧ろ、前作「British Steel」が、リフまたリフのスラッシュメタルの源流のような作風だったのにも関わらず“United”やら“Livin After Midnight”みたいなポップなコーラスをフィーチャしたシングル曲をヒットさせてアルバムを売った為に恐らくシングルから入ってアルバムを買ったファンが「全然期待していたのと違う」と憤慨したんじゃないかと後追いに思わせるのに対し、こちら「Point Of Entry」は、シングル曲である“Heading Out To The Highway”を気に入って買った人をそのまま楽しませる素直な作風になっている。逆に言えば、“Heading〜”を聴いて気に入らなかった人はこのアルバムには合わない、とすぐわかるという意味で、悪く言えば底の浅い、よくいえばとても親切な作品となっている。私はこういうのも好物なので楽しんで聞けた。しかしそれでもハイライトなのは、このアルバムで一番ヘヴィ寄りな“Desert Plains”を目一杯ヘヴィ&アグレッシヴに演奏しているリマスター盤ボーナストラックの“Desert Plains(Live)”なのは否めない、かなぁ。(80)