無意識日記々

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Twitter廃人向けのお話

山中教授がノーベル賞を獲得。本命中の本命が滞りなく授賞された感じで、早い遅いの問題はあれ意外性は全くない。おめでとさん。

で、Twitterに彼の名義のアカウントがあり「ノーベル賞キター」という呟きが昨夜21時頃だったかな、掲載された。瞬く間にリツイートされ2時間で2万を超える数に達した。やはりこれ位のニュースだとこれ位の瞬発力になるのだなぁと感心したものだ。

認証アカウントではないので当然「これは本物か」という話になりどうやら山中氏御本人はTwitterされてないという事に落ち着いているようだ。それを確認する事は肝要とはいえ、よくよく考えてみるとそこの所を最初に疑うのは初動としてはさほど得策ではない事に気付く。というのも、それはTwitterのスピード感ではないからだ。

何しろ、2時間で2万RTである。本物かどうかを確認する前に、事実としてこれだけ拡散してしまうのがTwitterだ。寧ろ、そこから与えられる情報自体の価値を先に味わっておくべきだ。

今回のツイートも、やはり50歳の研究者がお茶目に「キター」とハシャいでいるところが親近感を呼び、そしてよく人柄を知らない教授のパーソナリティを即座に伝える事になるからRTが加速したのではないか、いやいや、もっと真面目な内容の方が信憑性を増してよりRTの数が増えたのではないか、等々といった考察のタネは幾つも目に止まる。最初に「本物かどうか」を疑ってただ立ち止まるより、今起こっている"現象"の観察に時間を費やした方がいい。勿論、なりすましに注意と呼び掛ける事は大切だ。気を抜かなくても高度な罠で濡れ衣を着せられ逮捕されるご時世である。そこのリテラシーはあった方がいいし行動に移しておくべきだろうが、上記のようなスピード感に対しては焼け石に水である。心理的にも、本物かどうか確認せずにRTを繰り返す人たちに苛立つよりも、そこから得られる情報を適切に獲得していく方が健全であろう。

宇多田ヒカルの場合認証アカウントなので本人以外の呟きが発信される可能性は低い。しかしながら上述のように高度な罠にかかればなりすまされた上名残も見当たらないといったケースも出てきている。そうなる場合に備えて、常にそれが誰によって発信されたのかより、誰によって発信されたと"思われて"、どのようなタイミングでどのような内容が拡散していったのか、それは知名度のお陰なのかタイミングのお陰なのか内容のお陰なのか、RTのパターンから読み取れるだけ読み取って、それから本物かどうか疑えばよい。ややマニアックというか、Twitter廃人向けの提言ではあるが、ここでの事の本質は真贋の判定にあるのではなく、何が短い時間で影響を持ち得るか、である。事の良し悪しはその後でよい。Twitterのスピード感とはそのレベルに達しているのである。