無意識日記々

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第3の道も茨の道かな

前回はラジカルなロジックの進め方をした。熊と戯れてみた、じゃないや、態と戯れてみたのだ。でも、こんな帰結が出てしまう程、Utada Hikaruの世界契約には難問が多い。

同じ世界規模での活躍をしているミュージシャンなら、お馴染みDir en greyが居る。彼らはスタイルがあんななので、市場に合わせた音楽という主軸はない。あの音楽性に合わせた市場を吟味していたら海外でも受けた、というか、あのジャンルはそもそも国際的な活動が前提みたいなものだから、マーケティングやプロモーションでの気苦労はあっても、制作の根幹を揺さぶるような影響力はない。

Hikaruの場合、少なくとも今までは日本語曲と英語曲に関しては明確に線引きをしてきた。Simple And Cleanがその最たる例で、言語を変えるとメロディーが変わった。あれの場合寧ろ日本語か英語かというより歌詞の内容が影響しているようにも思えるが、それもこれも結局は歌詞を入れ換えた事が原因である。

となると、だ。仮に日本語曲も英語曲も分け隔てなくひとつのアルバムに収録するとしよう。第3の道ともいえる方法論だ。そうしたとすれば、今後元々日本語の曲の英語曲化や、元々英語の曲の日本語曲化は一体どうなっていくのか、と立ち止まってしまう。特にKingdom Heart 3のテーマ曲はどうなるか。恐らくこれは、従来通り英語曲と日本語曲の両方が作られるに違いない。となると、その曲をアルバムに収録する段になったらどちらを選んだものか非常に悩ましいだろう。実際、Simple And CleanとSanctuaryは、大袈裟に言えば"数奇な"運命を辿っている。一旦宇多田ヒカル名義で発表された曲が"移籍"してUTADA名義でもリリースされた。これは、契約のタイミングと、今と違い異なるレコード会社に所属していた事に起因した現象だったが、果たして現在であるならばどういう扱いになるだろうか。両方をアルバムに収録できる状態にはなったが、アルバムの作品性を考えるとかなり難しい。

Flavor Of Life Original Versionはボーナストラック扱いになった。あれと同じような感じになるのか。或いは、日本国内版と国外盤で扱い・曲順を変える事も考えられる。This Is The Oneは、Come Back To Meのヒットを受けて同曲を1曲目とした盤が幾つかの国で発売された。それ位の融通なら利くかもしれない。国内盤では英語曲をボーナストラックとし、国外盤では日本語曲をボーナストラックとする、というような。でも、それをするにしたら、最初の仮定である"第3の道"日本語曲と英語曲の混在アルバム、という方法論は何なのだ、という事になる。かといって日本語曲と英語曲を非ボーナストラックとして平然と収録するのも何か違うという気がするし…本当にこの問題、考えれば考える程わからなくなっていくなぁ。こうやってアーティスト活動休止期間を取っていて本当によかった。まだ準備はしやすいだろう。たぶんね。