無意識日記々

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LuvLive09 First Love

Luv Liveの9曲目。いよいよ究極の名曲First Loveの出番なのだが、書く事が全く無い。どないしょ。

今までの8曲は総て異なったテーマで展開してきた。ドラムに注目したりギターを聴いてみたり表情を拾ったり。しかし、このFirst Loveにはそういう特筆すべき"テーマ"が何もないのだ。

いやね、実はこれはいつもの事。Luv Liveに限った事じゃないんだよ。どのライブのレポを書く時もそう。この歌に関しては「いつも通りでした」以外言う事がないの。

もっとも、それが当然の事なのだ。ヒカルはいつも、First Loveに関しては徹底して「スタジオ・バージョンの完全再現」に徹している。実験的な事をせず、守りに守りに守り抜く。それは、この曲が如何に愛されているか、どのように愛されているか、よくよくわかっているからだ。

初めて宇多田ヒカルのライブに来た人の多くが、大多数が聴きたいと思うのがこの歌。最早伝説と言ってもいいだろう。伝説を本物で。そりゃそう思うさ。その思い入れの強さが、この曲でのパフォーマンスの方向性を決定付けるのである。

そうすると、たぶんLuv Liveのテイクは、唯一、公式音源の中で「未だ伝説と言われるに至っていない段階でのFirst Love」という事になる。一応、ドラマの主題歌としてシングルカットされる前だしね。6月の地上波初出演でこの歌を披露した事も相俟って、99年の夏場には既にこの曲は伝説級だったのだ。

ならば、と本来ならこのタイミングだからこそ出来た筈のFirst Loveのライブ・バージョンに期待したい所だったのだが、ヒカルはやっぱり「普通に」歌っている。つまり、ヒカルは、歌が伝説になる前から、何がどうなるかを本能的に感じ取っていたのではないか。そう思いながらこのライブ・テイクを観てみると、他の曲にもましてその「丁寧さ」がよくよく伝わってくる。

とはいっても、全く全部が忠実再現という訳でもない。ライブならではの、気にならない程度の歌の粗もあるし、バックの演奏もスタジオバージョンとかなり違う部分がある。ドラムはもうかなりオリジナルだし、ギターの自由度も高い。しかしそれとて、曲の印象を変えるまでには作用していない。そもそもギターに関しては、「音が小さくてよく聞こえない」という根本的な問題もあるしな。今さんが怒っていやしないか心配だ。


そんな中で、唯一「これはライブならではだな」と感じさせてくれるのがヒカルによる歌詞の変更である。いつも入れる"'cause"を入れてないね、というのもあるが、やっぱり、何よりあそこ、二番のサビの後にキーを上げてもう一度サビを歌う場面だろう。あそこで、オリジナルでは『You are always gonna be my Love』になっているところを『You will always be the one for me』と歌っている。これだけ変えてくれるとライブで聴いた特別感が出てちょっとお得である。ただ、歌の意味としては次の『You are always gonna be the one』と大体同じなので、実はちょっとクドい。でも、一過性のライブなのだからこれでよいのだ。どこまでも守りの姿勢のパフォーマンスの中で、唯一スパイスのように効いてくるこの一節。Luv LiveのFirst Loveについて語る事があるとすれば、この点くらいかな?


…にしては、いつも通りの字数埋まっちゃいましたねぇ…(苦笑)。