照實さんが「人を見る目を養うのが大事」と言いつつ小某方さんを擁護するコメントを発したのは笑ってしまった。性格上、ジョークじゃないんだろうな。私も勿論真相なんか知らないのだけど、本人が出てきて会見を開いてくれたので、なるほど事態はとてもわかりやすくなった。全体を通して、そんなに不自然な事態ではない。残念ながら映像では標高チェックは出来なかったが、あの人は周囲を惑わす事の出来る人だというのは想像した。繰り返すが、何が真相かはわからない。しかし、人を見る目が大事といって彼女を擁護するのは余りに分の悪い賭けだと言わざるを得ない。真実は大抵単純で、それを隠そうとするからややこしくなる。照實さんは宇多田家々訓である「いい女を見たら声をかけろ」を実践しているだけなのだ。普段の偏ったリプライの傾向をみたらわかる通り。
なお、この家訓は半分比喩である。だから半分は字義通りに受け取っておけばいいのだが、つまりこれは「チャンスは逃すな」という意味だ。いつ会えるかわからない自分の理想の相手を追い求めるより、目の前に実際に存在する相手に目を向けよう、と。
この精神はヒカルの歌詞でも一貫している。近曲の(と言ってももう3年半前だが)Can't Wait 'Til Christmasでも『クリスマスまで待たせないで 人は何故明日を追いかける?』と疑義を呈しているし、9年前の『Be My Last』でも『いつか結ばれるより 今夜一時間会いたい』と言うし、15年前のデビューアルバムでも『明日をみつめようとしないで』と宣う。世間的には刹那主義として憚られるような精神も、ここまで長い間変わらなければ刹那主義でも何でもなく、まさに人生哲学のひとつといえるだろう。
その、『明日をみつめようとしないで』と歌う歌はGive Me A Reasonだ。この歌の歌詞は、ここから15年以上続く宇多田ヒカルの歌詞世界観の基幹になるような力強さを持っている。来週も引き続きこの歌の歌詞に迫っていきますかな。