ULTRA BLUEを聴き直してみて改めて思うのは、まずその楽曲の充実ぶり。そして曲順の巧みさだ。
テーマ曲たるThis Is Loveを冒頭に据え、展開点たるCOLORSを中央に起き、ラストを重厚なバラードからインタールード、そしてキングダムハーツのテーマソングへと繋げて前作と同型のエンディングを形作っている。そういう意味では前作DEEP RIVERからの続編という見方も出来るし、一方で実際はUtaDAのEXODUSを挟んでいるからそちらからの流れにあるという見方も出来る。海路とWINGSの位置も申し分ないし、Making LoveもA面の要の場所という感じがしてハマっている。全体としてのバランスが素晴らしい。
しかし、その魅力を十分踏まえた上で敢えて提言するならば、こちらとしてはその個々の楽曲の「作られた順序」というのにも興味がある。つまり、時系列順に並べればどうなるのだろうという興味である。何故それが気になるかといえば、個々の楽曲の歌詞同士がどういう流れの中にあったのかを把握したいからだ。
ここまで、This Is LoveはULTRA BLUE制作の最終盤に作られた事を前提として話を進めてきた。しかしこれに根拠などない。インタビュー等でこの曲の制作時期について触れられていた覚えもないし。しかし、そのサウンドの成長ぶりや、誰願叶やWINGSやMaking Loveを連想させる歌詞から、それらの楽曲群より後から作られたのではないかと推測しているだけだ。
楽曲制作というのは常に一曲だけに注力している訳ではないだろうし、歌詞もいったりきたりで書いているかもしれない。なので、たとえ制作順に曲を聴いてみても連続性が認識出来るとは限らない。それでも、出来ればどんな順序で作ったかは知りたいものである。
この点においてひとつ懸念があって、果たしてThis Is LoveはBLUEより本当に後に作られたのかどうかという論点だ。今の話の流れからいくと完全にBLUEからThis Is Loveという順番なんだが果たしてそれは本当に真実なのか。ここに関しても、当時のインタビューで答えていたかどうかはわからない。もっとも、当時はアルバム発売即全国ツアーだったので慌ただしくて総ての発言を網羅捕捉していた自信がない。とはいえ今頃そんな事言っていても仕方がないので、取り敢えずこのまま話を進めていきますかな。