無意識日記々

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世代と世代を繋ぐうたになるか?

15周年、いや16周年歌手のトリビュート・アルバムとくれば、是非若い世代の人たちにカバーしてもらって、ヒカルの事を知らない若いリスナーにもアピール出来るようになればよい…

…と紋切り型で書くのは簡単だが、コトは簡単には運ばないだろう。まず第一に、本当に若い子たちはヒカルの事を知らないのか?という点だ。テレビにはあまり出ないが、昨今は懐古的な番組が多い為、そういうのを見てる子たちなら「First Loveの人」で大体通じるんじゃあないか。また、ラジオでもそこそこかかる。んだが若い子はそれこそラジオなんて聴かないかな。いちばん触れる機会の多い文字媒体では、ツイートしただけで記事になる位だからそこでなら「あぁ、名前は聞いたことある」となるかもしれない。特にツイッタラーはフォロワー数上位の歌手として認知しているかもしれない。

有名は有名だけれども、歌を聴こうと思った事はない、というのが若い子たちの平均的な見方かな。若い、というのがどれくらいを想定するかによるけれど。

例えば、世界の終わり(今どんな表記だっけか)に心酔している世代なんかは、ヒカルの歌をまともに聴いた事がないかもしれない。今回彼らが企画に参加しているとは思わないが、もし聴くキッカケになっていたら、こういう歌手、こういうソングライターをどう捉えるかは興味深い。

週末に、そういえば、スティーヴィー・ワンダーの"Feel The Fire"に関する記事が出ていた。細かいコトはよくわからないが、この曲をONE OK ROCKのオリジナル曲だと思っていた人が居るらしい。いやそんなの普通だろう。"You Really Got Me"がVan Halenの曲だと思った人はたくさん居ただろうし、Led Zeppelinの"Babe, I'm Gonna Leave You"がカバーだと知ったところで、この曲を稀代の名演に仕立て上げたのが彼ら4人であるという事実に揺らぎはない。ルーツを探らない人なんて幾らでも居るし、ルーツを知らなかったからといって目の前の曲を楽しむのになんら支障はないのである。


ただ、あわよくば、UTUBE(毎回書いてるけどこれ正式名称じゃないからねー)に辿り着いてくれないかな、とは思う。無料だ。カバーを聴いた若い子たちが、UTUBEにアクセスしてオリジナルを聴く。その時に何かが拓けるかもしれない。

それを促すには、今回のリーダー・トラックを指定してミュージック・ビデオを作り、更にそれをUTUBEにUPするかUTUBEにリンクを張る(今のYoutubeならオススメ動画としてオリジナルをリンクしてくれそうだが)かしてくれれば、ヒカルのオリジナルを聴く人が増える。そうなってくれると嬉しいが、ひとつのアーティストにPVを作ってもらうのは敷居が高い。林檎姐さんにLetters撮って貰えたら万々歳だが、新譜が出たばかりの人にそんなコト頼めないだろうな。


恐らく、現実的に期待できるのは寧ろ逆で、我々が若い世代のアーティストたちを理解する取っ掛かりになるんじゃないかという方だ。「今売れてるなんとかってコ、今までピンとこなかったけど、ヒカルの曲をこんな風にカバーするのか。なかなかセンスいいじゃない。」みたいなのが実際に起こるんじゃないかと。こうなるとヒカルは若い子たちを売り出す為に看板を貸したみたいで、人によっては癪かもわからないが、ヒカルもそういうのは喜ばしい筈である。そう思いたい。


いずれにせよ、どちら側からどちら側へというのは定まらないが、この宇多うたアルバムによって、多少は世代間の攪拌が進むんじゃないかという期待は、ある。そういう意味では、今回はブックレットに全参加者の生年を書いといてくれれば面白いと思うんだが如何かな?