無意識日記々

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では偽でないヤツを予想してみると

さて昨夜は(本当に)余計なエントリーを書いた。激しく後悔しているが読者が「それな」と思ってくれたならまぁいいかな。(笑)


ああいった"妄想と期待"は別にして、では実際の選曲は、という"予想"は難しい。これは書いて後悔する類の話ではないが、あとで読んだ時に「的外れな事書いてんな〜」と苦笑する事は請け合いである。

前提から行こう。果たして全曲新録かどうか。まずはそこからだ。レーベルを超えて人が集まるというのだから、既に発売されている昔のカバーソングのテイクを収録してもなんら不思議ではない。当欄でも取り上げた槇原敬之travelingとか浜崎貴志の光など皆がお馴染みのものも多いが、それらをCDで持っている人、となるとそんなに居ないのではないか。若いファンは存在すら知らないかもしれない。既発テイクの再録自体は、十二分に意義のある事だと考える。

しかし、流石に全曲が既発テイクだとまずいだろう。格好をつくるには、最低限、3つくらいのテイクは新録で、かつビッグネームである必要がある。裏を返せば、そこさえ踏まえておけば、残りが既発テイクだろうが無名ミュージシャンだろうが大丈夫だ。今の世の中、ポータルサイトやゲームサイト、まとめブログなどの見出しに収まるようなわかりやすいセールスポイントだ。「宇多田カバー作に○○参加」の○○に誰かビッグネームを入れられれば正解である。収まる。

ここで「宇多田カバー作に浜崎参加」と見出しをつけて浜崎あゆみとはやとちリミックスされるのがいちばんいけない。FLYING KIDSの方だからな。そんなつまらない冗談はさておき。本当につまらない冗談をつまらないって言い切ると結構凹むなこれ。

では、誰がいいかといえば、それこそ前回のエントリーで挙げたような人たちだ。UAは歌手活動してるか知らないしW小野は知名度が低いしヲチさんはちゃんとSuperflyと書かないと通じないだろうが、それ以外の人たちなら大丈夫なんじゃないかな。ここから3人無作為に抽出して看板にするのを想像してみる…悪くない。

カバー自体はした事があるけれど正式な音源になっていない、というケースを改めてスタジオ録音する、というパターンも考えられる。何より、声がかけやすい。桑田佳祐Flavor Of Life安室奈美恵の蹴っ飛ばせ!(昨日はビックリマークを落としてしまった)なんかがスタジオ録音されれば、それもまたある程度特別になるだろう。今言ったようにこれは実現可能性が高いという意味でありえる話だ。もっとも、今というタイミングでスタジオに入る理由を説得的に示さなければならないだろうが。

他に、"カバーの達人"たちに対する希望もあるかもしれない。カバーアルバムで名の知られたミュージシャンたちだ。徳永英明なんかオリジナル・アルバムより売れてシリーズ化してしまった。それならエリック・マーティンにも歌わせてみたい…とHR/HMファンの私なんかは考えてしまうが、この路線は幾つか危険性を孕んでいる。特に、AutomaticやFirst Loveなどをこの人たちが歌ってしまうと何の意外性もないし、場合によっては有難味もない。よほど人選と曲選択の掛け算を吟味しないと安っぽい印象を与える事になる。既発曲となると尚更で、穴埋め程度にしか受け取られないかもしれない。上記のように「看板歌手3人衆」が鉄板だったりすれば、うまく風よけになって批評を免れるかもしれないが。とみに気をつけて欲しいところだ。

また、ヒカルもデビュー19周年という事で、ヒカルに憧れてデビューした世代も一線級で活躍し始めているが、彼女たちにカバーさせるのは危険である。彼女たちはヒカルのファンであるが故に、楽曲を大切にし過ぎるきらいがある。つまり、この曲はこうだという先入観が固まりすぎていて、歌唱がオリジナルと変わらないおそれがあるからだ。こうなると全員、もれなく全員が"ヒカルの劣化コピー"を歌うだけになる。それはそれでそのアーティストのファンは嬉しいかもしれないが、ヒカルのファンの方のウケはそんなによくないだろう。「あぁ、ファンなのね。」という共感と好感を呼べるというのはメリットだが。そちらに傾くのであれば、もう思い切ってヒカルの歌唱を完コピする方向に走った方がいいかもしれない。だったらミラクルひかるを連れてきてマジ歌唱させればいいのだが、一般的なリスナーがそのテイクをシリアスに捉えてくれるかは疑問だし、他の人たちとの親和性も難しい。このエリアを攻略するのは難儀だぞ。


…という感じで実際に一枚の作品としてソングカバーアルバムを成立させるのはかなり大変だ。しかもこれはただの構想段階の話。実地にこれらをひとつひとつ形にしていく作業の困難は想像を絶する。どうか読者の皆さんにおかれましては、今回の企画盤の人選と選曲を生暖かい目と目で見守っておいて欲しいなと思う次第であります。m(_ _)m