無意識日記々

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時代の狭間に挟まれたCD

Single Collection Vol.2の発売から今日で4年だ。正確に言えば4年と1日目或いは2日目だがまぁそれはいい。あれ以来、宇多田ヒカル名義の新作CDは出ていない。WILD LIFEのDVDとBlu-ray桜流しの配信とDVDシングル、それにEVAQサントラCDへの収録、In The Flesh 2010の配信、FL15&LuvLiveのCD&DVDリリースとハイレゾ等配信、とまぁ結構盛り沢山な感じなのだが、来月のリリースもソングカバーアルバムにハイレゾ配信にUSBリリースと、新作CDという感じではない。新作CDリリースとなるとHEART STATION/Stay Goldまで遡らなければならないか? Prisoner Of Love EPもカップリングを考えたら新作と言えなくもないが。

そういう意味では、宇多うたアルバムのCDリリースは結構微妙な立ち位置だ。作品の性質から考えて配信はバラ売りが主体になりそうだし、CDを買うのは極一部のマニアという感じがしなくもない。勿論これから音源が解禁されてそれが目を見張るような出来映えであれば売上がぐんと上がる事も期待出来るが、こちら側としては現段階でそれに期待する訳にもいかず。うぅむ。

全く割り切って配信のみというのはなかったのかな。前もこんな案を出した気がするが、一週間に一曲ずつサプライズで配信販売したら面白いのに。この、次は誰が来るかな感。アルバムに対して一度に3000円払うのを躊躇う人も一週間に250円ずつなら別にいいかな、と思ってくれはしまいか。浅はかか。それに、前にも書いた通りアーティスト毎に露骨に売上に差が出るのは好ましくないだろうしな。

ハイレゾ配信がないのも痛い。いや、ないと決まった訳ではないが、試聴会でハイレゾを聴かせられないんだったらまだまだ準備は出来ていないとみるべきだろう。

CDは今板挟みにある。手軽さや安価さを求めるならmp3やmp4の圧縮音源を購入するし、音質を求めるならハイレゾに向かう。CDは不便かつ音も最上ではない、というポジションに追いやられつつある。それでも買う人はコレクションとして、或いはそこでしか手に入らない添付物目当てで、という事になっている。なんとも中途半端である。

そのうちハイレゾ円盤の企画が統一されハイレゾ再生プレイヤーがメーカーから発売されれば、いよいよ今のCDの存在感がなくなる…というかまぁCDがハイレゾCDに入れ替わるだけなんだが、確かにそうなれば、形式的にはCD(みたいなもの)が延命される事になる。果たしてそこに更なる需要があるかどうか。何度も書いているように高音質の要はまずハードウェアである。そこがどうにかならないとどうしようもない。

宇多田ヒカル陣営も、DVD/Blurayと配信とハイレゾとCDと、兎に角種々のメディアとコンテンツの組合わせを探っているところだろう。これが落ち着いた頃にヒカルが復活してくれれば話としてはわかりやすくなるのだが、それもいつになりますことやらですわいな。