無意識日記々

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i_さんの本音を炙り出せるかテスト

いつもいつも「もしこういう考え方に立つならこういう帰結が考えられる」とか「もしあなたがこう感じたなら、こうしてみてはどうだろうか、こう解釈してみるのは如何かな」とか「こうしたいならこうすべきだ」とかそんなタイプの文章ばかり書いていてあんまり自分(i_さん)の気持ちについて書かないのは、話が一瞬で終わってしまうからだ。

「ヒカルが好き。次の歌が楽しみだ。」

これだけなんだもん。これだけシンプルだと、我ながら(老けたおっさんに対して)「純粋だなぁ」と感嘆せざるを得ない。いやホント。もう他に言う事ないや。

だから、私個人はヒカルを信頼していて特に不安も心配も無いし、市場がどうなろうが基本的にどうでもいいし、世間の評判に一喜一憂する事もない。いずれも「分析する対象として興味深い」という見方をする。

例えば、AKB48がヒカルのシングルCD売上の記録を抜いたというニュースをきいた時も「へぇ、凄いな。どうやったんだろう」という興味はわいても、それが不愉快だとかましてや悔しいなどと思った事がない。思いようがない。音を聴けばヒカルのアーティストシップにAKBが敵う筈もないし、全く勝負にならない事はすぐわかるだろう。そこを勘違いする人が居たとしたら、正直もうどうする手だてもない。聴いてわからないなら説得のしようもないし、聴かずにそんな事を言う人が居たらただの妄想狂なので専門医に任せるしかなく、それはその人の問題であってAKBやヒカルの問題では最早無い。それに、AKBにもよい曲が幾つかある。そちらをヒカルより気に入ったという人が居ればめでたい事だ。この国は自由に、自分の好きなものを愛でられる。誰に強いられる事もなく。素晴らしい事だ。

繰り返しになるが、売上枚数の多寡は現象として興味深く、その理由やからくりを知りたいという気持ちはあるが、それによって優劣や勝敗が決まるようなものではない。いや、勿論それを勝敗の基準と"みなす"事も出来るし、それに従ってチャートを眺めて楽しむ事も出来る。そういう娯楽としての優劣や勝敗だというのならまだわかる。それに乗っかって悔しがったり喜んだりするのも楽しいだろうな。

問題なのは、ヒカル自身がそういう"みなし"に乗っかりたいのかどうかだろう。レコード会社の皆さんは毎日苦悩している。枚数だけ伸びてもいいものか、それが俺の本当にやりたいことなのか、と。完全に梶さんを想定して書いてしまったが、その苦悩こそ彼の仕事でありやりがいなんだという風に私は(無責任に、残酷に)捉えているので、ヒカルはその苦悩は彼に任せて、好きなように曲を作ればいい。売れたいと思ったら売れる曲を書けばいいし誰にもわかってもらえなくてもいいからと突拍子もない曲が書けてしまったらそれでもいい。特に何が書きたかった訳でもないけどできちゃったという曲があってもそれでもいい。ヒカルが何か自由を故意に奪われたり騙されたりしないでいれればそれで。

売上に関しては、そうだな、私自身、ヒカルの初期の爆発に対して「バブルだったから」という風に見ているというのもあるかもしれない。握手券や投票券を封入してあるから売れたというのと、メディアバブルで売れたというのにさほど良し悪しや優劣を感じないのだ。ヒカルの音楽が優れていたから売れたのだ、と言われてもそれは1要因に過ぎず、従って十分条件ではないし、売れる為の必要条件ですらない。優れた曲を作りながら売れなかったアーティストなんてやまほど在る。それを見てきた以上、売上や順位は現象であり、また、それを勝敗の基準と"みなして"ゲームに興じる人たちにとっての土俵である。そして私はその土俵に乗っていないので、高みの見物で楽しませてもらうだけだ。


なんでこんな気楽で居られるかというと、そう、ここがいちばんの矛盾なのだが、ヒカルが物凄い売上を過去に記録したからである。「何枚売らないと今後の生活が危うい」、という全世界のほぼ総てのプロミュージシャンが抱えている悩みがヒカルには無いのだ。これが理由なのである。

もしヒカルが「次のCDが1万枚売れなければ契約を切られて引退する」という条件下にあれば、私はきっと売上アップの為に東奔西走するだろう…と書こうとしたが、ごめん、しないわ。今のご時世、ヒカルがインターネット料金を払えて、マイク(まぁ、もうiphoneので十分だ)を売り払う必要がない程度の生活費があるならば、Youtubeに新曲を歌った動画をアップロードしてくれれば満足なので、それでいいんじゃないか。なので、契約とか生活費とか大した問題じゃあない。やっぱり結局、私が唯一気にしているのは「ヒカルが新しい歌を歌う気がなくなること」なのだ。

その気持ちと"信頼"のバランスは…という話からまた次回ね。