無意識日記々

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吉良知彦さんのこと #ZABADAK

今年の3月にデビュー30周年を迎えていたZABADAK吉良知彦さんが亡くなられた。7月3日。56歳。まだ死因は発表されていないが、例えば自殺とか薬物とかは全く考えられない。そういう人じゃあない。3月にたおれられたばかりなので、投薬のトラブル等なら有り得ようが、今のところ何らかの事故死だったのではないかと見立てるが、真相が発表されるのを待つとしよう。

青天の霹靂、である。ほんとに今朝は陽射しが眩しい。

まだ今年、彼の参加するLIVEにあと10本くらいは行く予定だった。オフレコだが来年のLIVEの予定・腹積もりまで聞かせてくれていた。それが全部ごそっと消える。この人なら90歳でも現役でギターを弾いて歌を歌ってるんじゃないかと本気で思っていただけに、何の前触れもなくいきなりプツンと糸が切れた事に、まだ対処が出来ていない。本当にいきなりだった。

3月のLIVEの幕間で救急車に運ばれていたのだが、そこからの回復は驚異的で、ほんの2週間でほぼ前の状態に戻していた。「俺、前よりギターうまくなったかも。へへ。」と悪戯っぽく笑うのをみて「心配して損したよ」と呆れるくらい、鬼のような音楽的バイタリティに溢れた人だった。うん、死ぬ筈がない。そんな事考えた事もなかった。

昨年末から「巨星墜つ」の報が立て続けだったので、しかし、死を意識せずにミュージシャンと接していた訳でもなかった。いつか終わりは来る。だから今の日々をと。でも、本当に、ある日プツンと切れるんだねぇ。先月も2回LIVEに行ったけど、微塵もそんな雰囲気なかったよ。予感のよの字もない。「人は死ぬぞ」。ルフィの一言が頭をよぎる。

ごくドライに音楽的な面からみただけでも、惜しい人を亡くしたと言わざるを得ない。特に2013年に発表した「四季」(通称。正式名称は難しくて書けない。)は極端に素晴らしい40分の組曲で、今後どうやってこの曲を演奏していくかという話を会う度にさせていただいた。「スタジオに8人で入っていっせーのでレコーディングしようかと思ってるんですよ。」「でも吉良さん、ホンモノのLIVEバージョンに勝てますかねそれ?」「そこなんですよ…。」―実際に交わした会話だ。それはもう野心的に、今後の計画を楽しそうに、本当に楽しそうに語る人だった。56歳にして絶好調、キャリアで最高の曲を書き、今後もやまほどやるべきことやりたいことやらねばならないことが、たくさん、たぁくさんある人の人生が、こうやってぷつりと切れる。現実は本当に呆気ない。まだ、呆然とするしかない。

何のまとめの言葉も思い浮かばない。まだ次に進む段階じゃない。ただただ、窓から差す夏の朝陽が眩しいだけなのです。