無意識日記々

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荒野のおおかみ/Der Steppenwolf

『荒野の狼』についてコメントとツイートをうただいたので追記。「荒野のおおかみ(Der Steppenwolf)」。ヒカルが好きなヘルマン・ヘッセによる長編小説のタイトルだ。いやはや、そういやそんなんあったかいねぇ。すっかり頭になかったでござるよ。

ヘッセは私読んだ事ないから思い出さなかったのはギリギリ許せるとして、許せないのはこっちだ。「荒野のおおかみ」の原題は「Der Steppenwolf(ステッペンウルフ)」。そう、かの映画「イージー・ライダー」の主題歌“ワイルドで行こう(Born To Be Wild)”で有名な(というかこれ一曲だけかもしれないが)ロックバンド、ステッペンウルフはこのヘッセの小説名からバンド名をつけていたのだ。

何故これに気付いていなかったかなぁ。STEPPENWOLFの"Born To Be Wild"といえば歌詞に"Heavy Metal Thunder"の一節が出てくる事で有名で、サンディ・パールマンがインスパイアされていたかどうかは兎も角、メタラーにとっては"Heavy Metal"というワードがロック史上に初登場した記念碑的作品である。なのに、この一節、この曲、このバンドとこのバンド名の事を忘れて「『荒野の狼』って古典なかったか」ととぼけるとはメタラーとして非常に間抜けな話なのである。情けない。

なお、ステッペンウルフ自体はヘヴィ・メタル・バンドではない。音楽性とは関係ないのだよこの話題。ずっこける話だが。

で、だ。ならば宇多田ヒカルの新曲『荒野の狼』は曲調がヘヴィ・メタルなのか?というのが本日の議題になるところなのだが(ほんまかいな)、なにぶん、メタラーとしてはヒカルがメタルをやったらどんな曲になるか興味津々過ぎて冷静な判断が下せない。EXODUS3部作を聴く限り様式としてのメタル曲を書く力量はそこらへんのメタルバンドでは太刀打ちできない腕を持っているが、だからといってメタル・サウンドを中途半端にオリジナル・アルバムに組み込んでも浮くだけだ。一応、アルバムラストが『桜流し』ゆえ、どんな曲調が続こうが強引に纏めあげてしまえるとは思うものの、メタルサウンドに手を出すなら連続して3曲くらいあった方がいいかもしれない。まぁそこらへんは多彩な音楽性を誇るヒカルなので、心配というよりは、「やったのならやれているのだろう」という信頼しかないのだが。

いずれにせよ『荒野の狼』はヘッセと関連づけて語られる事は必須なので同小説を読み始めましたよ。楽曲発表までに読み終わるかというと無理だし、読み進めていくうちに「これは曲を先に聴いた方がいいな」と思い始めたらそうするまでなので、暫くは何のコメントもしないと思いますが、関連書籍として心に留め置いといてくれればいいんじゃないかなと今の段階では思います。