無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

It'll be stronger, so will I

さっき、今までやってきた中でいちばん強力なのでは、という迷惑メールが届いた(そう、未だにやってくるんだなこれが)。融資や交際のご相談はたんまり来るからそういうのは中身も見ずにすぐ消去できるのだが今回の文面は一瞬「ん?」ってなってしまった。やばいやばい。どう書いてあったかというと、本文はたった一行、これだけ書いてあった。

「今度、飲みに行きませんか?笑」

やばいやばい。つい、「誰だっけ?」と思っちゃったよ。もしかしたら昔からあるポピュラーなヤツかもしれないが、少なくとも私の所に来たのはこの20年間のネット生活で初めてである。最後の括弧無しの「笑」がなかったら危うかった。メールくれる人の中にこのタイミングで「笑」を入れてくる人が居ないので気がついた。いやはや。

何事もシンプルは強力である。Simple And Clean、I'll Be Strongerだ。そういえば「徹子の部屋」で特集があって、藤圭子1996年の出演回がオンエアされ、『I'll Be Stronger』が流されたようだ。いやはや、当時45歳なんですか。お美しい。どうでもいいが「若々しい」のは必ずしも美しいとは限らないし、その美しさとはまた別のだな…いやその話はいいか。長くなる。

徹子さんの滑舌がそろそろ本気でやばいので、天皇陛下と同じタイミングで仕事量減らしたらいいんじゃないのと余計な事を思いつつ。13歳の歌声が昼間の茶の間に流れたというのを知り、なんとなくほのぼのしている。

こういう歌い方の方が、きっと世間一般にはウケがよいのだろうな。ヒカルの「歌が上手い」という評価は、時に「本場のアメリカ人たちと遜色なく歌える」点に集約されがちだった。色をつけて言えば、歌唱のオリジナリティが低いからよかったのだ。何かと較べる事が出来る、そしてその何かと較べてどれだけ似ているかを測る事ができる…そういう基準での歌唱力の評価だったから、日本語の歌の地平を次々に切り開いていくヒカルの歌には余り興味を持たれてこなかった気がする。比較対象が余りに少ない、いや、居ないから。

常々、「レッド・ツェッペリンが日本のライブハウスでデビューしていたらブレイクしていなかっただろう」という風に感じてきた。「何やら、物凄いデカい音に金切り声を乗せたグループが居る」と話題にはなったろうが、「でも別に好きじゃないしな」と見捨てられるのがオチだろうと。流石に最初から"Stairway To Heaven"でもあれば別ですが。

どうにも、日本の商業音楽市場は、音楽性のみならず音楽の評価まで直輸入してしまう癖がある。ミュージシャンのみならずジャーナリストまで輸入加工で成り立ってきた、と言ってしまうと極論なのだが、「ビッグ・イン・ジャパン」を揶揄の言葉として使える時点で反論の余地はない。

今のヒカルの飛び抜けた歌唱力はどれくらい評価されているのだろう。ひょっとしたら、13歳の頃の方が上手かっただなんて思われてるんじゃなかろうな、と思いつつ『I'll Be Stronger』を聴いていた。タイトルの通り、その歌唱力は本気で強靭に成長した。21年の歳月はやはりそれなりの長さがあった訳である。ヒカルは徹子の部屋見たのかな…?