無意識日記々

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けものとばけもの

やっと「けものフレンズ」最終回を観たですよ。まだ観てない人は急いでこのページを閉じるんだ(笑)。

期待通りの最終回でした。大団円。粗筋を説明すると「ワンピース」に酷似する、という特徴がいちばん出たのがこの回ではなかったか。強大な敵を前にして今まで助けてきたフレンズたちが応援にかけつける。皆の見せ場をはらみつつ、最終的に撃退してめでたしめでたし。そして宴。海を前にして出会いと別れ。ついてくついてかない。もう完全に「ワンピース」。王道って素晴らしい。

勿論たつき監督が「ワンピース」を真似した訳ではなく、物語の王道を突き詰めるとこうなる、という収斂結果だ。「けものフレンズ」は「ワンピース」でいえばひとつの島編をワンクールでダイジェストで纏めてみました、という作品だった。

にしても、最後の最後までブレなかったね。この作品の最大の武器である"ファイン・チューニング"が実によく効いていた。直前のたつき監督のインタビューで、「もしかしたらボスか誰かとはお別れになるかな?」とふと頭をよぎったが、いやはや見事な落としどころ。「ワンピース」ではメリー号をそのまま沈めてしまった(船首は残ってるけども)が、「けものフレンズ」はああやって人格(?)を残した。この、2017年仕様の微調整のセンスが、この作品の陳腐化を大きく防いでいる。

中には、まだ解決されていない伏線が残っている、と不満を漏らす声もあるかもしれないが、続編を期待できると思ってくれれば。OVAでも2期でも劇場版でも。実写化だけは、明らかに変な雰囲気になるのでたとえハリウッドから声がかかっても断るしかない。

まぁそもそも、おまぃら真剣に観すぎ(笑)。残った伏線といっても、ぼーっと観てる分には気にならない要素ばかりだ。先代のサーバルちゃんが何なのか、くらいかねぇ、あからさまに残ってるのは。本来、ゆったりまったり観て癒やされる作品なのだから、伏線回収云々は副次的な楽しみ方だった筈が、人気が爆発し過ぎて謎解き班が頑張り過ぎたな。それも楽しみ方のひとつとはいえ、前回述べたように「この作品に過度な期待は禁物」なのですよ。

だから、順当過ぎる最終回に肩透かしを食らったと感じる向きもあるかもしれない。仕方がない。それくらいバズった。全世界のツイート・トレンドで第2位だったんだって? まさに若干ゃ草生えるですよ。

これからかばんちゃんとサーバルちゃんが次々と他の島を訪れる展開にすれば、第2期以降も制作可能だが、ちょっと売れすぎたので監督の作家性が担保し続けられるかが心配、というのがこれからWebでまとまる総論になるだろう。しかし、この全12話でブレなかったから大丈夫なんじゃないかな。ばけもの仲間の「ワンピース」はご覧の通りネタ切れなどどこ吹く風、加速し続ける一方だからね。私は素直に続編を期待したいと思います。何よりやっぱり癒やされますからなぁ。