無意識日記々

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家業を継いだんだぜ

こういう風に突き詰めていくと、会場選びも音造りも人選も選曲も何もかも、「ヒカルがどういうライブをやりたいか」という話に行き着くし、それはつまり「ヒカルはなにゆえライブをやりたいのか」を問い続ける作業ともいえる。そこから総てが始まるのだ。

スタジオで宿題をしスタジオで昼寝をする生活からしてヒカルは根っからの「工房で職人」タイプで、間違っても(?)人前に出たいタイプではない。そこらへんからして母親譲りで、目立ちたい訳ではないのに美貌と美声で否が応でも人々を惹き付けてしまう。そして、毎度お馴染み『家業を継いだ』発言からわかる通り、運命を受け入れながら生きてきている。2人とも「小さい頃の夢を叶えた」というよりは「目の前の現実に対処し続けていたらこんな事になってしまった」感。

そしてヒカルは「どんなに裏で喧嘩してても泣いていてもひとたびステージに上がれば完璧に歌う」母の背中をみてプロの何たるかを幼少の頃から叩き込んで育んだ。自分の状態がどうであれ、引き受けた仕事は遂行する能力もまた、母を受け継いだものだろう。

しかし、仕事を引き受ける事と自ら仕事を作り出す事とは違う。ライブの細かいコンセプトを決めるには「ヒカルがどうしたいか、何がしたいか」にいちいち戻らなければならない。そしてそれを逐一周囲に伝えなくてはならない。高いモチベーションが必要になる。

そのモチベーションが如何に高かったかの証明こそがコンサートそのものなのだと言い切ってしまいたい所だが現実はもうちょい複雑だ。次回へ続く。