無意識日記々

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対課金心理的抵抗感減少現象随察

地上波テレビを観る習慣の無い自分にとっては、YouTubeと列車の液晶画面くらいでしかコマーシャルフィルムを観る機会がないのだが、今年に入って「ややや」となる場面が増えている。

美少女や美少年やドラゴンや何やが手書きアニメで飛び回っているのを見れば「ああ、新しいテレビアニメの宣伝か〜」と思ってしまうのだが最近は大体そういう映像はソーシャル・ゲームの宣伝だったりするのだ。また、かなり有名なタレントが出演するバラエティー番組や実写ドラマの宣伝映像が流れて「何チャンネルで何曜日の何時からだろう?」と思う間もなくそれがオンデマンドで配信限定だったりする。地上波テレビのコンテンツかと思うCMが、悉くソシャゲが配信なのである。

ああ潮目が変わったんだな、と思う。地上波テレビが本格的に衰退して、ゲームは配信ドラマが人気を奪おうとしているのだ。この間の元SMAPによるAbemaTV72時間テレビでも散々言われていたが、果たしてこの流れは加速していくのだろうか。

書籍の電子配信は10年位モタモタしていた。この国では。映像コンテンツはどうなるのやら。YouTubeから12年、ニコニコ動画から10年、地デジから6年という事を考えると遅いのかもしれないし頃合かもしれない。わからない。

音楽ソフトは海外と較べれば周回遅れだが、フランスなどと同様極端に国内商業音楽の強い市場である。事情が英米と著しく異なっていても気にしなくていいのかもしれない。何か、漸くスマートフォンで音楽を聴くのに慣れてきた気がする。容量の増大や音質の強化もあるかもわからないが、何だろう、全く勝手な推測だが、ソシャゲの課金の為にiTunes Cardを使う人が急増したお陰で店頭でプリペイドカードを売り買いする事や、スマートフォンでデータを購入する敷居の高さが日本人全体で平均的に低くなっているのかもわからない。昔はiTunes Cardは特定の店舗のみに置いてあったが、今や置いていないコンビニを探す方が難しい位だ。課金行為が普通になった。いやはや、世の中どこからブレイクスルーがあるかわからない。

Mr.ChildrenGLAYのような二世代前のバンドですら配信限定シングル曲を出す時代である。宇多田ヒカルは2008年5月の『Prisoner Of Love』以降、2008年10月の『Eternally -Drama Mix-』から総てのシングルが配信限定だ。もう丸9年である。この9年で新しくファンになった人は「昔は宇多田ヒカルもCDシングルを出していた」とか言っちゃうんだろうか。それどころか8cm縦長シングルまで出してましたよ。

ソシャゲと配信番組、配信映像レンタル等のお陰で、この国では暫く配信シングルが下げ止まりになるんじゃないかとすら思えてきた。何度か書いている通り、アメリカなどではサブスク・ストリーミング・サービスが主流化していて配信販売は衰退の一途である。全く状況の異なるこの日本では今後2〜3年位は配信が好調かもしれない。まぁこの予想は当たらない気がしているが、思った時に書いておけば未来で過去を振り返った時に分析のよい材料となり得ると踏んでいる。何を見落として予測を外していたか、後から考察してみるのも悪くないんですよ。