無意識日記々

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MVが話題にならない昨今

そうか、今日は『traveling』のDVDシングル発売記念日か。18年前。後にも先にもDVDシングルでこれだけ話題になった作品もない。楽曲もバカ売れしたが、映像の印象度としてはキャリア中最高だ。デビュー曲の中腰ダンスも皆の記憶に刻まれているが、コスチュームとしての個性を考えると『traveling』になるのだろう、宇多田ヒカルの存在を記号化し尚且つ唯一無二となるとこれを選ぶしかない。ミラクルひかるがモノマネでテレビに出る時この衣装を採用したのが何よりの証拠だろう。

最近、余りヒカルのミュージック・ビデオが話題になっていない気がする。SUNTORYのTVCMが流れた時の反応の多さを考えると皆決してヒカルのビジュアル&見た目に興味が無くなったとは思えず、寧ろ女子中高生がかわいいかわいいと色めき立つのをみていると健在というかなんというか……あんたらの倍の歳なんですけどねぇ。『traveling』発売当時生まれてないでしょ。いい子たちだよ全く。

確かに紀里谷和明の作品は、というか彼の存在自体、激しく好みが分かれていた。しかし、彼の作った作品は結局どれも話題を巻き起こしていたのだ。合間に挟まれた彼の作品ではない『COLORS』のミュージック・ビデオなんか、あんまり話題にならなかったしな。箸にも棒にもかからないとはこのことかと……。

最近のMVも少し近い感じがする。『忘却』のMVなんて、リリース当時リアルタイムでファンやってた人でも今言われるまで忘れてたんでないか。それは言い過ぎとしても、楽曲自体ではなく、映像そのものが話題に上る作品がそろそろ出てきてもいいんじゃないかな。

シンエヴァで主題歌を担当した暁には早々にアニメ映像(できればアウトテイク)を使用したMVを配信して欲しい、なんて話を前に書いた気がするけど、それはそれで他力本願というか、シンエヴァの動画には力があるに決まってるじゃないかと言われて終わりそうだわね。そうじゃなくて、映像が話題になってそのお陰で楽曲にも注目が集まる、くらいの力強さが欲しい。

とか言ってる私は、そもそもミュージック・ビデオというものにご執心ではないので「なきゃないで別に」というスタンスだったり。お気に入りのMVは『光』と『Goodbye Happiness』で理由は「ヒカルが映りっぱなしだから」ですからねぇ。でも、作るんだったら効果的なものを期待したくなるってもんですよ。YouTubeのアクセスって今やマスメディア級ですし。

一方で、構造的な問題として、それこそサブスクが普及してきたせいで、新曲がリリースされてもYouTubeにMVを観に行くことなく直接音源にアクセスする層が増えているのかしらん。そうであればレーベルの収入に直結するので喜ばしいことだが、それが押し進まるとそのうちミュージック・ビデオというもの自体が作られなくなっていくのかな? はてさてどうなりますやらですねぇ。テレビで新曲宣伝してるうちはないと思うけどね。全ては気分次第だよ。