無意識日記々

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総て私のくーそーです。

『日本語だと/そもそもそれほど悪い言葉が存在しない』というので思い出したんだが。その昔Utadaさんがインタビューであれやこれやと質問を受けていまして。その中の「好きな日本語は何?」という問いに対して『KUSO!』とお答えあそばされていた。「空想」ならまだよかったんだが英語でいうと"shit!"にあたるそうなのでこれは100%「くそ!」だろう。なるほど日本語は上品だな。(皮肉)

口癖、とかならまだわかるがこの言葉を英語のインタビューで日本語の代表格みたいな雰囲気をもってして語るというのはなかなかにハイセンス。いや、本音はきっと「なにくそ!」精神の事だと思う。悔しさを糧に頑張る心、という。でもだからって好きな単語に選ぶかね。

一方でヒカルさんは『「やけくそ」が大っ嫌い』とも発言している。なんだかさっきから随分とくそまみれだが、これも真意は漢字で書いた「自棄糞」の方にある。別に肥料を燃やす訳ではなく、「自分を棄てる」行為に我慢ならないだけだ。如何にもプロフェッショナルな感性だが、この発言をした10年近く後に『"ギリギリ"フォルダに"ヤケクソ"ファイル』を作って名曲『Celebrate』を完成させるのだから人生本当に何が起こるかわからない。

前回考察した通り、自分も使うべきではないと感じる単語は実際使わなくなるので、英語で"放送禁止用語"を使って話すのは現実に不都合が少なく且つ幾らか都合がいいからだろう。ドライな結論としては3歳前後であっても"悪い言葉"を覚えるのはそこまで悪い事じゃないんじゃないかと感じる。

新しく言語を覚える時にまさに教科書に載っていない大事な事があって、それが隠語をはじめとした「不適切用語」の取り扱いだ。英語を覚えてトークセッションやプレゼンテーションを、という立場に立った時に大事なのは何を喋るかより「何を喋ってはいけないか」だ。公の場に相応しくない言い回しなどは案外さり気なかったりするので注意が必要だ。「Making Love」を「愛を育む」とかで覚えてて人前で喋っちゃったら赤面ものですよ。他の単語でも、時と場合によっては社会的地位を危うくする。なので、新しく言語を覚える時は文法や気取った言い回しよりまず隠語なのだ。それを言ってはいけない、という意味で。

まだ分別のない小さなこどもは耳に入った言葉をそのまま言う。だからこそ、少しずつでいいから、「言葉は文脈を選ぶ」事を学んで貰う為にも、"悪い言葉"を覚えていった方がいい。そればっかり言ってると人格に影響が出そうだから少しずつでいい。大体、小さなこどもが人前で放送禁止用語を連発して恥をかくのは「普段そんな会話をしてるのね」という目で見られる親の方である。自分が恥をかきたくない、という理由で悪い言葉を自重するのならこどもには何の責任もないのである。