無意識日記々

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宇多田ヒカル on Spotify launched

Spotifyでの配信が始まり、これで国内の主要なストリーミングサービス総てでヒカルの音源が利用できるようになった。アメリカでは2年前からCDはおろかダウンロードも押しのけて音楽消費のメインとなったこのストリーミングサービス、果たして日本ではどこまで浸透するか。

大体、名前が悪い。サプスクリプション・ストリーミング・サービスとか長いよね名前が。「着メロ」「着うた」くらい短い呼び方が出てこないと浸透しないよ。浸透する実態と呼称の定着は鶏と卵だけれども。

どういう事情があるのか知らないが、「定額聴き放題」じゃ駄目なのかね。ストリーミング、って日本じゃそんなに魅力的な言葉じゃないでしょ。「不安定な配信」ていうイメージが先行する。スマートフォンの容量を食わない、という他に利点がないような。

「定額聴き放題」ならかなり食いつきはよくなるだろうが、それでもYouTubeに勝てるかどうか。音楽へのアクセスとして無料のYouTubeより優位に立つには明らかにラインナップで優り、明らかに操作性で優らねばならない。まだそこまでいってないよね。

でまぁやっとラインナップで勝てそうになってくるのが今年だ。その象徴のひとつが宇多田ヒカルの参加で、そりゃまぁ強力な後押しになるだろう。単体で、というよりアクセスできるラインナップの名前の連なりの中に宇多田ヒカルの名前が並んだ時の圧力が重要なのだ。効き目あるでこれは。

さっきも触れたが「ストリーミングであること」は必ずしもプラスのイメージではない。2020年以降5Gが普及すればまた違うかもしれないが、今の4G/LTEでもまだ途切れる。自分などはBluetoothWi-Fiで音楽が途切れてもイラッとする方なので5Gになってもまだ文句を言っているかもしれないが、この国は電波行政消極国なので、一向によくならない、だろう。


そんなこんなでちょっと現時点ではストリーミングサービスの普及に懐疑的・悲観的な私だが、本音をいえば決して嫌いとかではなく、寧ろいつか普及率100%になってくれないかなとすら思っている。電気ガス水道についで情報もインターネットのお陰で「使い放題」に近づきつつある。スマートフォンではまだまだ電気ガス水道同様従量制だが、この情報の一部分である音楽もほぼ定額で「使い放題」になれば文化的な発展は計り知れない。勿論それはクリエーターたちに対する還元と援助なくしては語れない。その為にはまずレコード会社と著作権管理団体の統合が必要だろうが、誰もがみるようにそれはまだまだ茨の道だ。先は長く、遠い。

そういう「遠く」を見ているが故の懐疑論悲観論であって、今年の定額サービスがどこらへんに着地しようとも大して感慨は抱けないだろう。日本の現況をみると「定額ストリーミング」より「定額ダウンロードし放題サービス」の方がずっと餌に釣られやすいと思うんだが、さぁどうなるだろうね。楽しみに眺めよう。